A4用紙に小さい文字で情報を纏め、メモ帳を徹底的に使いこなす方法
限られた時間で、全体像をまとめる。
知識を確実に吸収する方法には、数多くの方法がある。その一つに、一枚の紙に情報を収めるメモの取り方がある。
本日は少し真面目なお話をさせていただきたい。煩雑なメモを、本来のメモの役割に引き戻す方法だ。
デキる上司が使っている、使い込まれたスタイリッシュなメモ帳が欲しい。毎回そう思って、新しく購入するメモ帳。
しかしいつも最後まで、綺麗に使えたことはなかった。新しいメモ帳に目移りしたり、メモ帳の最初の目的を見失ってしまった。
そんな本日は、メモ帳を第二の脳とする方法をお話させていただきたい。長年使いこんだメモ帳は、きっと皆様の第二の脳となるだろう。
良かったら、ご覧いただけるだろうか。この記事みなさまのお役に立てば、とても嬉しい。
メモ帳を第二の脳とするには
今まで私は、多くのメモ帳やノートを犠牲にしてきた。
一冊500円程度の簡易的なメモから、本革のメモ帳まで。最後まで使い切ってあげられなかったメモ帳は、一冊ではないのだ。
まず最初に、私の本業は小企業及び個人のコンサル担当である。多くの新しい情報を取り入れ、まとめ続ける日々を送っている。
ただし、アクセンやPWCといった大手コンサルではない。個々の資格保有者が集まる合同事務所のため、比較的自由に動ける。
新しい取り組みを思いついたなら、自由にやって良し。売上に繋がらなければ、ハイそれは終了、といった感じだ。
大まかなルールはそれだけなので、みな自由に取り組んでいる。そしてそこでは、圧倒的な知識量が売り上げに直結する。
そして私たちは完全歩合制である。つまり知識を習得しないと、ツナおにぎりすら買えないのだ。
そのため、皆短時間で知識を吸収する術を身に着けている。その知識がないと、専門職であるお客様と会話すらできない。
カッコいい感じに言っているが、大抵の職場とはそういうものだと思う。
そこで重要になるのか、効率的な知識管理。繰り返しで向上しつづける、メモをとる基本方針だ。
これは最初からなにか、ガチガチの方法で固めるメモ術ではない。あくまでも「一つの基本」だけを遵守し、メモスキル自体を成長させる方法だ。
そして、同僚もみな独自のメモ帳の書き方を確立している。そのため、これからご紹介する方法が唯一ではないことをご理解いただきたい。
では、「第二の脳としてメモ帳を使う」というのは、どういう意味だろう。これは、最終的に以下の2つを目的としている。
- 読んだ本の重要知識をメモ帳に残し、数分間で一冊分の復習をする
- 覚える必要はないがいつでも参照できるように、情報を箇条書きで残す
つまり「(1) 覚えて使う」「(2) 最高に参照しやすくする」この状態を目的としている。
(1)は、脳に完全に叩き込むためにメモをする。(2)は、覚える必要はないが、最も参照しやすい状態に仕上げる。
この2つを、大きなメモの目的とする。
まず基本である(1)。これはメモを中継地点として、知識を完全に脳に入れ込むためのメモだ。
そして仕事上、即効性があるのは(2)。許認可や取得条件など、多数ある情報をささっと引き出すためのメモだ。
これは尋ねられた時に「え~っとそれはたしか…」という数秒の空白で即座に参照できる構成に仕上げる必要がある。
この(2)は、繰り返し参照することで最終的には脳に入る。即座に引き出せる情報となり、普段の業務や会話などで大いに活躍する。
そして、これらの目的を達成するための基礎ルールとは。それは「細かな文字でA4一枚にまとめる 」ということだ。
細かな文字でA4の紙にまとめる意味
先述の(1)(2)の目的を達成するために、私に欠かせないメモの条件。それは、A4一枚に細かな文字でまとめ切ることだ。
まずこれには、以下の目的と効果がある。
- 読み終わった本や参加した講演の知識を、小スペースに集約する
- 文章でメモするくせをなくし、速記に近い技術を習得する
- メモ帳のみに全て集約するため、カバンを超軽量化する
- 情報を文章ではなく単語でまとめられるようになる
- 復習も一枚だけで済み、復習への精神的な障壁がぐっと下がる
- 一冊のメモ帳に、大量の情報をストックできる(一冊で済ませられる)
- ページ間の移動がなくなり、情報全体が見える
- 単純に文字サイズが小さくなり、メモの速度が上がる
- 個人的にびっしり纏まっている文字が大好物
実は私も、最初から小さなメモで書いていたわけではない。
「メモ=即座に情報を書き留める」この固定概念があったため、最初は大きな文字で殴り書きしていたのだ。
その期間は大学を卒業してから約5年間。今思うと、最高に大切な時期をメモ帳無しで過ごしてきたようなものだ。
聞いた情報や覚えた情報を、大きな文字と文章で書きとめる。しかしそうすると、1ページに微々たる情報しか残せない。
そして次第に、メモ帳を見直す意味合いが薄れてしまった。その名の通り、文字をメモするだけの手帳となってしまったのだ。
「メモを取りたくなる」「繰り返し見たくなる」そんなメモ帳とは、完全にかけ離れていた。
そしてある時、同僚にこう言われた。
『お前のメモ帳って、コルセンの人みたいだねw』ハッとすると同時に、顔から火が出る恥ずかしさだった。
聞いたことだけを書き殴っているメモ帳。それこそ、数分間忘れないためだけのメモ帳だったのだ。
自分が見るに値しないと感じているメモ帳に、第二の脳が務まるはずもない。私が理想とするメモ帳とは、遠くかけ離れていた。
そして私に指摘してくれた同僚。彼のメモ帳は、私のそれとは明らかにレベルが違っていた。
同時に彼の知識も、尋常なレベルではない。
一度読んだ文献は空で言えるまでに吸収する。さらに会話のレスポンスも圧倒的に早い。
そしてそういった奴に限って、普段の生活も充実しているのだ。
羨ましくなった私は、お昼代を渡して彼のメモ帳を見せて貰った。すると彼のメモ帳には、以下の特徴があったのだ。
- メモは全て単語のみで、単語同士が線でくくられている
- 色は二色まで。一冊の本の情報が全て1冊でまとめられていた
- 追記が半端ない
- 400ページもあるメモ帳の残りスペースは30ページ程度
なるほど。確かにこのメモ帳に、電話口の内容を殴り書きする気にはならない。
完全に第二の脳として機能しており、数分で一冊の本を復習できる。本だけではなく、彼が参加した一回数万円の講演や会議、全ての情報が一枚の紙にまとめられていた。
それは小さな図書館の様でもあり、自分しか解読できない暗号の様でもあった。
そして今回ご紹介した、メモ術。A4一枚に細かな文字でまとめ切るという方法。
この基本ルールは、非常に単純だ。
- ボールペンで書く(ジェットストリーム0.5mm推奨
- 一冊のメモ帳だけに絞る(ZEQUENZ推奨)
- このメモ帳だけに情報を集約する習慣をつける
- メモのジャンルは問わない(情報を分類せず、全て一冊にまとめる)
- 電話受けや殴り書きはしない(A4のコピー用紙を半分にして挟んでおくと良い)
- メモ帳の見開きに、細かな文字で情報をまとめる
まずこれらは、基本的なルールである。繰り返すごとにメモ技術を上達させるための、必須条件といっても良い。
そしてこの基本ルールに基づき、日々以下の訓練を行うのだ。
- 講義、会議、読書で習得した情報をA5の見開き2枚(つまりA4)にまとめる
- 長文でメモをせず、単語もしくは句でメモをする※文章でも良いが、短文でまとめる
- 副色は赤色のみ、関連のある知識は線で結ぶ
ご覧の様に、その訓練方法は極めて簡潔だ。この簡潔さこそ、継続しやすい特徴だと言える。
複雑なルールを設けた時期もあるが、まったく継続できない。ただ無駄に、メモに対する嫌悪感が湧いてくるだけだった。
ではこの訓練を繰り返すと、一体どう変化していくのだろう。実際の変化を見てみよう。
メモ訓練による、体感的な変化
まずこのメモ術は「本1冊をA4一枚にまとめるなんて、絶対無理だ」と、何度も壁にぶち当たることから始まる。さらにそこで、出来ないイライラに立ち向かわなければならない。
常に細かな文字で書くことに務め、A4一枚の情報価値を高める。そして作成翌日に確認し、「次回は、この書き方を直そう」と改善策を練る。
もちろん、いきなり改善策が浮かぶばかりではない。ただ単に「か、書きづらすぎぃ!」と感じる期間もある。
しかしそれでもなお、負けずに継続する。
どうメモすれば全体を纏められるか、本は残り何ページなのか。次第に、メモスペースのバランス感覚が身についてくる。
~最初の頃のメモ~
そして、できるだけ無駄な情報をメモすることをやめる。メモしたい情報とメモしなければいけない情報を見極めようと努力する。
するとどうだろう。段々と以下の変化を実感しはじめる。
- 文章で纏めていたのが、単語で纏められるようになる
- 「頭に残る内容」と「メモしなければ忘れる情報」を見極められるようになる
- 最終的にはマインドマップに興し、同僚と共有できるようになる
そして新しく読んだ本をA4一枚にまとめられた時、その感動は格別だ。 ついに自分のメモスキルは、ここまできたかとグッとくる。
~訓練経過後のメモ~
そしてわずか1.2分間で、参加した講演の知識を一括で復習できる。図書館に数時間籠るだけで、新しい業種の知識をまとめて吸収できる。
一度読んだものは、全てメモ帳を経由して吸収する。一度参加した講義やWEBコンテンツも同様だ。
まさにHUNTER×HUNTERの団長並のスキル。これが楽しくないわけがない。
~ムカつくことを言われた日の落書き~
あぁ…。本日も好き放題書かせていただいた。
色々な意見があると思うけど、どうか一つの技術として見守ってね。ここまで読んでくれて、本当にありがとうね。
メモって最高に楽しいよね。
じゃっ(*‘∀‘)!!
~ 開くとA4になる愛用メモ帳 ~