ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中学受験ブログ25 生徒同士の感情的なケンカの、効果的な仲裁方法

生徒同士の感情的なケンカの、効果的な仲裁方法

 

感情的な生徒間トラブル。

 

大人よりも素直に、感情を押し出せる生徒達。

そしてその感情が、時に大きく交錯する。

 

沢山の受験生が存在する、進学塾。

そのなかでは常に、彼ら同士の衝突も起こり得る。

 

そしてその衝突は、時に大きな問題となる。

受験生活そのものを脅かす、克服すべき壁となる。 

 

彼らの感情の衝突を、いかに効果的に治めるか。

本日は受験勉強とは少し性質の違う、そんなお話である。

 

 

~ 過去のバックナンバー ~

 

スポンサー様
 

 

受験終了まで続く、生徒間の問題

受験終了まで続く、生徒間の問題

 

THE・修羅場。

 

面談室に通した彼らは、尚もヒートアップを続けていた。

言葉自体は落ち着いてきたが、発言の内容はかなり過激だった。

 

彼らは共に、まだ11歳。

小学6年生の中学校受験生である。

 

一方は地元のサッカー部にも所属する、いわばイケてる系の男子。

一方は表現は悪いが、クラスの主役ではない子である。

 

普通に生きていれば、あまり接点はないだろう。

そう感じざるを得ない、かなり対極的な性格の二人である。

 

 

そして受験に関する成績では、地味な子が上。

サッカー部の生徒の志望校を、地味な子がバカにしたという顛末である。

 

しかし私は、彼らをいつまで地味な子と呼ぶつもりなのか。

あまりにも失礼なため、二人の下の名前を少しもじって呼称しよう。

 

サッカー部の大輔と、成績の良い修二

彼らは共に、私の大切な担当生徒達である。

 

 

そんな彼らが、今完全にバトルを勃発している。

面談室に通した時の落ち着きも、締め切られた空間で再度ヒートアップしている。

 

「だってねこやま先生、聞いてくださいよ!」

『お前が先にみんなの前で言ったんだろ!』

 

「うるせぇ、いま俺は先生に話してんだよ!」

『ふざけんな!俺とお前の話だろうが!』

 

 

おうおう。

なんと元気の良いお子様たちなのだろう。

 

しかし悠長に構えてもいられない。

この衝突はきっと、これから受験が終わるまで続くだろう。

 

そして彼らは、共に私の担当である。

私への宿題提出や課題確認で、必ず鉢合わせることもあるはずだ。

 

さらに問題は、あと一時間で彼らの両親が来ること。

そしてその場できっと、大人の解決的な話し合いが行われること。

 

さらにお互いが鼻血を出すような、大きなケンカである。

これはお互いの両親が、きっと黙っていないだろう。

 

下手をすれば、両親同士のケンカになりかねない。

確か2人の両親は共に、どこぞの社長?(お偉い職位)だったはずだ。

 

もしかすると、さらに過激な両親バトルに発展するかもしれない。

そうすればきっと、生徒達の感情など蚊帳の外に置かれるだろう。

 

 

正直、両親たちがいくらケンカしようがどうでも良い。

わたしは生徒達が、受験終了まで温和な関係を築いてくれるだけで良い。

 

お互いが私の生徒として、同じ方向を向き。

仲が悪くても構わない、ただ共に努力をする仲間として生きて欲しい。

 

 

そのためには、この一時間で全てを治めること。

彼らを心から納得させるため、私の拙い話術で立ち向かう必要がある。

 

両親が到着した時、彼らが互いの反省点を述べられるように。

そして結果的に、握手の一つでも出来るように。

 

スポンサー様
 

 

感情VS感情に、第三の感情は必要か

感情VS感情に、第三の感情は必要か

 

怒鳴るべきか。

 

あまりにヒートアップする、生徒たちの感情。

私の脳裏には、思わず安直な解決策が浮かんでしまう。

 

昔の先生たちが良く用いた、この怒鳴り系説教

これは現代の社会では、あまり良くないNG説教と考えられる。

 

そして私もまた、その方法をあまりするべきでないと考える。

恐怖による仲裁は、生徒間には何の進展もないからである。

 

この方法を使った解決策は、恐怖を反省に類似させているだけ。

何か悪いことをしたのだな、と漠然と反省する手法に近い。

 

そして彼らは今、感情で戦っている。

この感情に更なる感情を加えることに、何の意味があるだろうか。

 

 

しかしそれでもなお、選択肢の一つに上がってしまう。

それほどまで、彼らの衝突はを帯びていた。

 

まずは、私の話を聞く雰囲気が必要だ。

全てのスタートは、まずそこからだ。

 

 

そのためには、少し彼らを凝視してみる。

彼らの感情の衝突が落ち着いた時、私の視線が入り込むように。

 

それにより、自身の感情の衝突が監視されている事を意識させる。

確かにこれは、講師の立場を利用した、少し姑息な手段かもしれない。

 

良く小学校の先生が使う、この手法。

皆さんが静かになるまで、先生5分待ちました!と発言するアレである。

 

 

ただ凝視するだけで、どんな効果があると言うのか。

この方法を先輩から教わった時、私はそう感じた。

 

しかし効果は絶大

 

彼らの目線を外さぬよう、少し険しい顔で凝視する。

そして言葉や感情を挟まず、その場の鎮静化を狙う。

 

生徒間の感情の衝突には、必ず隙間が生じる。

それは論理的にお話を組み立てづらい、言葉の投げ合いだからである。

 

 

もちろんお互いが自分の意見を通せるとは、少しも思っていない。

そして感情の衝突を重ねているだけと、生徒たちも自覚している。

 

しかしそれでもなお、引き下がる事は出来ない。

それは彼らが持つ、自分自身の自己防衛手段であるから。

 

つまり感情の衝突時、彼らには辞めるタイミングが存在しない。

辞めたくてもそのきっかけがない、ただただヒートアップする状態である。

 

 

そこで大切なのが、講師の凝視を差し込むこと。

じーっとみられる不快感と共に、監視の圧力を感じさせる。

 

さらにそこで、話を聞かなきゃいけない雰囲気を差し入れる。

これが言い争いを辞めるきっかけに使ってもらい、場の鎮静化を狙うのだ。

 

 

じっと凝視する中で、約5分

段々と面談室も、その落ち着きを取り戻してくる。

 

感情と感情の衝突に、第三の感情は不要である。

話を聞かせる前提になるまで、時に凝視することも必要だ。

 

 

ではここからは、私のターン

拙い技術を駆使して、彼らを心から納得させよう。

 

彼らを納得させ、いつもの受験生活に戻らせる。

あと残り50分間の、私の最大のお仕事である。

 

~ 次回26回に続く ~