ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中国旅行記15 中国一美しいと言われる念願の鳳凰古城

中国一美しいと言われる、煌びやかな念願の鳳凰古城

 

中国一美しいと呼ばれる、鳳凰古城

 

想像を越えるその光景は、即座に脳裏に焼き付いた。そして同時に、この街で二泊できる喜びに震えあがる。

 

このバックパッカーで最も訪れたかった、湖南省・鳳凰古城。ひたすらに美しさに包まれる時間は、至福と呼ぶに相応しい。

 

 

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鳳凰古城に耐えるための経済補給

中国のお金

 

残高210元。(約3.570円)

 

まずい。中国旅行前半を終え、お財布が完全に干からびている。銀行に残高はあるものの、意外な出費に旅の興奮を振り返る。

 

もちろん平均的な街なら、210元もあれば一日くらい余裕。ボーリングでも行っちゃう?と軽口を叩くほど、楽勝の経済状況だ。

 

しかし本日、私たちが向かうのは古城鳳凰。この旅一番の超観光地であり、この残高じゃ圧倒的な兵力不足である。

 

桂林のATM

 

ピッ…ピッ…。

 

近くのATMに向かい、へそくりをコッソリ引き下ろす。もし仮に鳳凰にATMがなかったら、それこそ最悪だ。

 

お、お金なら、お金なら口座にあるから!とか叫んでも、きっとどうしようもない。ここは鳳凰を耐え切るだけの、現ナマをポケットにねじ込んでおこう。

 

久しぶりの1000元札にニンマリ微笑み、桂林駅へと急ぎ行く。本日は新幹線での乗り換えも必要な、結構な長旅の予定なんだ。

 

桂林駅へのタクシー

 

交通量の多い朝になんとかタクシーを拾い、桂林駅へ向かってもらう。運転手は少し眠たいのか、なんだかちょっとフラフラ運転。

 

もしここで事故ったら、憧れの鳳凰が潰えてしまう。頑張れぇ!と後部座席からエールを送り、運転手さんを心の中で応援する。

 

桂林駅

 

するとドミトリーから駅は意外と近く、直ぐに本日の出発地である桂林駅へ。朝の駅は人々で混雑しており、多くの観光客で溢れている。

 

歩きながらお弁当を食べる方、バナナを片手に歩く方。ぶつかれば恋愛が始まりそうな、せわしない朝の光景だ。

 

桂林駅
桂林駅
桂林駅

 

さらに駅への入場では、いつものように荷物検査が。これが結構お厳しく、君テロリスト?と、多数の警備員に細かくチェックされる。

 

両手を上に組み、体を満遍なくガサゴソされる。はい回って!とくるりと回され、ポケットの中見も全部チェック。

 

日本では形骸化してしまっているX線検査も、こちらの国ではガチチェック。この円柱の筒はなんだ!?と、昨日買った奇跡のザーサイまでも逃さない。

 

それお漬物なんです。確かにX線だと小型爆弾にしか見えないけど…。

 

身体検査

 

さらに検査場所の隣には、具体的なダメグッズの表記が。その種類は非常に細かく、過去に持ち込みがあったのかと少し怖くなる。

 

中でも手榴弾の表記には、この国の実情を垣間見る。私の愛用ヘアスプレーの没収も、やはり当然の結果だったんだ。

 

桂林駅のナイスな果物屋

桂林駅のナイスな果物屋

 

そして駅構内に入ると、人は殆どいなかった。11:25分の出発まで時間があり、ちょっと気合を入れすぎたようだ。

 

まだ一時間近く時間もあるし、どうしようかな。もちこに相談すると、旅のお供を買おう!という話になる。

 

確かに確かに!今日はほぼ半日、新幹線の車内で過ごすんだ。

 

もうお互いの胃腸も完全復活しているし、ここは美味しいお供を買っておこう。できれば見たことがないような、中国の本気を感じる逸品を。

 

二回目のボディチェックは避けたいため、駅構内で見つかればいいなぁ。そう考えて荷物を背負い、桂林駅内を散策する。

 

桂林駅のナイスな果物屋

 

果物屋だ。

 

探し始めて、約1分。いきなり全条件を満たすお店に遭遇してしまった。

 

見たことない食べ物で、旅のお供にも最適。中国の本気を感じるような、パッション溢れる果肉たち。

 

おお…なんというトロピカル感。ここなら見たことのない果物が、きっと沢山いらっしゃる。

 

まるでここだけが夜市のような、お店に充満する甘酸っぱい香り。私ももちこも果物大好きっ子のため、思わず店内に突撃する。

 

店内には見慣れぬ果物が密集し、どれを選んでも美味しそうだ。 ただ中には極悪な価格の果物もいらっしゃり、常に警戒は怠れない。

 

桂林駅のナイスな果物屋

 

バナナにしようかなぁ…。でもバナナはいつでも買えるしなぁ…。

 

悩んでいると、もちこが女性特有の即決で果物をパパパと選ぶ。そして受付のおばちゃんに手渡し、お会計を済ませてしまった。

 

ちょっとドリアンも食べてみたかったなぁ。でもビールとドリアンの組み合わせって、かなり危険って聞いたことがあるな。

 

中国の果物

 

そしてこちらが、もちこチョイス。蟻の誕生日にも最適な、驚異的な甘さの果実ばかり。

 

価格は非常に安く、これ全部でおよそ20元(約340円)。これで一日甘酸っぱい旅が送れるなら、まさに最高だ。

 

まだ時間もあるし、果物の面接でもはじめようかな。最初の方どうぞ!

 

中国のライチ

 

フリーザの隣にいそうな、この真っ赤な果物。恐らくこのままじゃなく、殻を剥がして食べる感じかな。

 

その棘はチクチク痛く、その新鮮さが伝わってくる。なんだか雰囲気的に、凄くコリコリな食感なんだろうか。

 

では早速、このトゲトゲを剥がして…いてっ。

 

中国のライチ

 

お前か。

 

皮を剥くとやぁと顔を出す、お馴染みの果物。このトゲトゲ果物の正体は、どうやらライチみたいだ。

 

生のライチって、こんなに刺々しいビジュアルなんだ。いや確か、あなたは革ジャンの様な殻を着てたはずだけど…。

 

そしてぱくりと食べると、これがすごく濃い。喉がイガイガするほど甘く、果汁も抜群に凝縮されている。

 

流石は果物王国、これは過去のライチ歴史でもトップの美味しさだ。では次の方どうぞ!

 

中国の龍眼(ロンガン)

 

お次は小さな黄色果実を、ペリリと剥がす。こちらもやぁ!と、ライチの兄弟のような果肉が現れる。

 

お前もか!と叫びそうになるこのライチ兄弟、どうやら龍眼(ロンガン)という名前らしい。味はライチに似ているが、口全体に伸びるような独特の甘みが最高だ。

 

この龍眼も喉が痛くなるほど甘く、思わずパクパク食べてしまう。個人的にはライチより美味しく、お酒に沈めたら最高にイケそうだ。

 

もちこも会話が止まるほど剥き始め、しばらく龍眼タイムに突入する。駅構内で龍眼を無心で剥き続けている日本人を、中国人はどんな目で見てるんだろ。

 

そして果物に夢中になっていると、思わず殆ど食べてしまう。半日分のお供だったはずなのに、梨以外が15分で全滅してしまった。

 

まるで映画の本編が始まる前に、ポテチ全部食べちゃうみたいだな。ちょっと凹んでいると、もちこが追加で買ってくるね!と果物屋に走って行く。

 

中国の龍眼(ロンガン)

 

全部ロンガン。

 

え!?ぜ、ぜんぶこれ!?他の果物は!?

 

そう尋ねると、どうやら龍眼が相当気に入ったとのこと。まさか大量の龍眼を買ってくるとはつゆ知らず、思わず龍眼を吹き出してしまう。業者か。

 

ただこれほど大量でも、恐らくすぐ食べてしまうね。それほどこの龍眼とは、私たちの生活に無くてはならないものだから。(本日初)

 

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桂林から長沙南への新幹線

桂林から長沙南への新幹線
桂林から長沙南への新幹線

 

そして構内でしばらく待つと、11:25分の出発時間に。私たちもホームに降り、チケットの乗車番号を確認する。

 

ただ旅の初日から持参している、中国へのお土産がやけに重い。正直、郵送したい気分になりながら、何とか根性で輸送する。

(持っているのはもちこ)

 

桂林から長沙南への新幹線

 

新幹線の車内は非常に綺麗で、久しぶりの乗り心地に興奮する。フカフカの座り心地は、やはりいつ味わっても最高だ。

 

そしてまず本日最初の行き先は、桂林→長沙南。14時25分到着まで、約3時間の電車旅だ。

 

少し時間にも余裕があるため、のんびり車内でくつろごう。龍眼も山盛り持っているから、胃袋もきっと退屈しないだろう。

 

そして車内でのんびりしていると、大きないびきが聞こえてくる。ふと周囲を見渡すと、変わった姿勢の男性が視界に入る。

 

桂林から長沙南への新幹線

 

zzz…。

 

頭に全体重をかけながら眠る、隣のおじさん。その姿勢、めっちゃ楽なのだろうか。

 

ちなみに二時間以上この格好で眠り、起きた時にはおでこに(ー)のマークがついていた。恐らく食事の時に下ろす棚の、回す部分の跡である。

 

しかしなぜその姿勢で…。

 

長沙南の構内
長沙南の構内

 

そして新幹線はあっという間に、最初の目的地長沙南へ。ここも桂林並みの大きな都市で、多数の観光客で大賑わいだ。

 

ちなみに次の出発は、17時06分。約2時間半ほど時間もあるため、楽しいご飯タイムに興じよう。

 

長沙南のご飯屋さん
長沙南のご飯屋さん
長沙南のご飯屋さん

 

駅構内はまるで東京駅のような広さで、多数の人々が急ぎ去っている。ここでもちことはぐれたら、確実に迷子になる広大さだ。

 

こんな時こそ、中国語が話せない無念感を強く感じる。迷子になっても人に道を尋ねられるくらい、事前に勉強しておくべきだった。

 

もし今仮にケンカをして、もちこが走って逃げだしたら…。それこそ実質共に孤独である。

 

そう考えたらこの旅で一番怒らせてはいけないのは、もちこかもしれない。…お財布だけはもっとこ。

 

長沙南のご飯屋さん

 

そして駅の中を見渡すと、湖南式の食堂が多数並んでいる。どうやらこの駅でも、美味しいご飯に出会えそうだ。

 

昨日のバーガーキングで再燃した、中華料理への熱い願望。さっそく荷物を握りしめ、美味しそうなお店を散策しよう。

 

長沙南のご飯屋さん

 

駅のエスカレーターを登ると、芳しい香りが鼻腔をくすぐる。子供の頃から変わらず、初めてのご飯屋とはなんとワクワクするのだろう。

 

今日は麺の気分かなぁ?と思いながら、昨日も麺三昧だったことを思い出す。どうやら桂林の米粉は、まだ胃袋を掴んでいるらしい。

 

そして一つのお店を発見し、迷わず突撃する。どうやら鉄板中華系のお店らしく、安心感のある香りが漂ってくる。

 

中国の胡瓜と啤酒

 

そして店内に入るや否や、直ぐにご飯を注文する。まずはいつもの胡瓜の叩き、そして相棒的な青島ビールも。

 

胡瓜&ビール、最高だなぁ!コリコリ食べながら、主役の到着を今か今かと待ち望む。

 

中国のからあげ棒

 

さらに魅力的な商品をレジ横に発見し、思わず追加で注文。こちらは主食系が完成するまでの、なんとも美味しい場繋ぎだ。

 

味わいはからあげクンそっくり、噛めば柔らかしっとり肉質。ただ一口食べると、唇はびっくりするほどテッカテカになる。

 

中国の魯肉飯

 

そして待ち望んだ、この旅二回目の魯肉飯。実はこのお店でも品切れが連続し、これなら作れるよ!と誘導されてしまう。

 

まさかこれほど大きな駅構内のお店にも関わらず、魯肉飯を薦められるとは…。ちなみに入店したのは、餃子屋である。

 

中国の魯肉飯

 

しかし旨い。

 

テロテロに蕩けた脂が、干し椎茸や唐辛子に絡みつく。この中国の魯肉飯、何回食べても飽きが来ない。

 

やはり中国に来たなら、絶対食べておきたいガッツリご飯だ。満足感溢れるセットで25元(約425円)と、なかなかお買い得感じゃないか。

 

ちなみに果物を食べ過ぎたもちこは、胡瓜をツンツンつまんでいる。確かに子熊くらい食べてたからね。

 

中国のパクチースープ

 

さらに付属のスープは、ガッツリのパクチーが。ちなみに私ももちこもパクチー苦手っ子のため、その除去作業に奮闘する。

 

こらあっち行きなさい…。あっ、こんなところにも…!

 

しかしスープの底にもびっしりパクチーが沈み、作業は思った以上に難航する。最終的に思い切って飲んでみると、意外とすんごい美味しかった。

 

そんなスープをちびちび飲みながら、今宵の鳳凰について話し合う。お互い最高に楽しみにしていたこともあり、会話も全く衰えない。

 

今日は夜に到着するから、速攻夜景が見れるなぁ。もし晩御飯に間に合うなら、川沿いのお見せて食べたいのう。

 

そんな話をしていると、何だか珈琲が飲みたくなる。こういった雑談をするなら、是非とも美味しい珈琲も飲みたいものだ。

 

そう考えて、駅構内を散策する。すると見慣れたMのマークと、ポテトの焼きあがるお馴染みサウンドが聞こえてくる。

 

中国のマクドナルド

 

マクドだ。

 

一瞬似てるお店かな?とか思ったが、正真正銘ド〇ルドのお店。あの独特のポテトサウンドは、全世界共通なのだろうか。

 

ちょっと調べると場所によりポテト音は違うらしいが、今は結構どうでも良い。さっそく席を確保して、ゆっくりコーヒータイムに興じよう。

 

すると店内は沢山の若者がおり、何やらパソコンを囲んでいる。どうやらIT系のお仕事をしているらしく、高額なお金の話が飛び交っている。

 

流石は中国、若くても仕事ができる方は沢山いるのだな。そう思いながら彼らを眺めていると、もちこがご馳走を抱えて戻ってくる。

 

中国のマクドナルド

 

珈琲とMポテト。

 

なんともテンションの上がる、教科書通りの素晴らしい組み合わせ。たまに無性に食べたくなる、子供の頃からのお気に入りだ。(幼少期はファンタアップル一択)

 

ひょいひょいポテトを摘み、再度鳳凰への想いを雑談する。するともちこがふと、クイズを出してくる。

 

この珈琲、いくらだと思う?

 

でたでた、これは結構好きなヤツだ。恐らくびっくりするような低価格だったに違いない。

 

流石は中国、マクドの価格もびっくりプライスなのかな。だって桂林の米粉は、一杯四元(約85円)だったもの。

 

しかしこれは、質問者が心地良くなるタイプのクイズだ。ここは敢えて15元(約255円)くらいの、ちょい高めを答えておこう。

 

中国のマクドナルド

 

24元。(約408円)

 

スペシャルプライスだ…。まさか日本でも150円で買えるマクド珈琲が、二倍以上の価格だとは。

 

確かに日本なら、適正価格を少し超えるくらい。ただ先ほどの魯肉飯セットとほぼ同価格とは、まさかの事態だ。

 

もしこの長沙南で、この珈琲価格が適正値ならば。もしかして超観光地の鳳凰では、どえらい価格になるのでは…。

 

珈琲一杯24元…。昨日食べた米麺は、4元だぞ…。

 

少し恐怖を感じ、思わず珈琲をちょびちょび飲む。何だかこの中国の適正価格が、次第に分からなくなってきた。

 

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長沙南から懐化南への新幹線

長沙南から懐化南への新幹線

 

そしてポテトを摘まみながらロビーで待つこと、約1時間。遂に乗車時間が訪れる。

 

既に時間も夕刻で、この時間からの新幹線は初めてだ。目的地懐化南への到着は、夜も始まったばかりの18:49頃だろう。

 

あぁ、何だか緊張してきた…。遂にあの憧れの鳳凰に…。

 

長沙南から懐化南への新幹線

 

車内に人は少なく、懐化南という街にもちょっと興味が湧いてくる。鳳凰への中継路として向かうが、どうやら観光地ではないらしい。

 

大きなリュックを抱えた人はおらず、皆がサラリーマンや地元の方々。この時間から、鳳凰に行く方は少ないのかもしれない。

 

いつものタブレットの爆音も聴こえず、ちょっと寂しい。やはりあの車内の喧騒も、中国の魅力だったんだ。

 

そして夜の観光に備え、もちこも仮眠に入ってしまった。話し相手もいなくなったし、雑誌でも読んでみようかな…。

 

長沙南から懐化南への新幹線
中国の新幹線の雑誌

 

全然読めない。

 

当然ながら解読不能で、何やらお偉い先生がキリリとこちらを見つめている。皆様ご存知ですか?的な雰囲気を出しているが、一体何の人なのだろう。

 

しかしこれほど高校時代の英語講師に似ている人が、世の中にいるとは…。どう見ても山田先生だ。(誰やねん)

 

ただ全て漢字で書かれているため、何となくの暇つぶしには最適だ。途中で健康という文字が読み取れ、なんだか得した気分で読みふける。

 

懐化南への新幹線

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そして夜もしっかり暗くなった、18時49分。新幹線は予定時間ぴったりに最後の中継地、懐化南に到着する。

 

周りに観光客はあまりおらず、いつもは混雑する下車口もガラガラだ。荷物を何度も確認し、新幹線が止まるのをじっと待つ。

 

懐化南の駅構内
懐化南の駅構内

 

ホームには明かりはなく、ほぼ手探りで出口を探す。もうもちこと周囲のお客との区別もつかず、結構危険な暗さだ。

 

途中で他の男性観光客に誤って声をかけ、少し恥ずかしい気持ちになる。それでも気持ちと荷物を持ち直し、ずんずん明かりに向かっていく。

 

ずんずん…。意外と広いな…。

 

懐化南の駅構内
懐化南の駅構内

 

すると突如周囲が明るくなり、ようこそ懐化南!的な雰囲気に。やはり鳳凰への中継地ということもあり、この駅も非常に大きいらしい。

 

そしてここで探すのが、運転手だ。事前にお願いしていた男性を見つけ、その方の車に乗り込まなければならないのだ。

 

どうやら彼は、もちこ(※仮名)と書かれたプラカードを持っているとのこと。周囲を必死に探すが、なかなかそれらしい方が見つからない。

 

懐化南の駅構内

 

そして他の送迎バスの呼び込みも盛んで、鳳凰の文字が眩しく輝く。ついにここまで来たか!と、テンションも最高潮だ。

 

そして中には、日本語でホウオウ!ホウオウ!と叫ぶ女性も。どうやら時に日本人観光客も、この街を訪れるようだ。

 

MOCHIKO?

 

周囲を見渡していると、一人の男性が名前を呼びながら近づいてくる。どうやら彼こそ、事前にお願いした運転手さんに間違いない。

 

大きな荷物を背負い、彼の所に足早に向かう。完全防備の男性は、よく来たねぇ!と私たちを迎えてくれた。

 

鳳凰に伸びる密室高速道路

鳳凰までの高速道路

 

彼の車に荷物を預け、暖房の効いた後部座席に乗り込む。外は非常に寒く、山奥にある鳳凰もきっと寒いに違いない。

 

すると男性はカギをつけたまま、車から降りてしまう。そしてもう一組いるから!と言い残し、そのまま駅に消えていってしまった。

 

あぁ平遥古城と同じく、どうやら今回も相乗りだ。確かに山奥の鳳凰に折角向かうのに、私達だけ乗せるのはもったいないよね。

 

車内に流れる謎の中国民謡に耳を傾け、彼の帰りを待ち望む。早く鳳凰に行きたぁい!と叫びたい気持ちを、グッと抑えながら。

 

鳳凰までの高速道路

 

全然来ない。

 

車内で待つこと20分、全然まったく音沙汰がない。鳳凰に着いたら何する?話も、そろそろ限界だ。

 

しかも車内の音楽もCDらしく、同じ曲がループで流れる。きつめの暖房に、なんだか催眠にかかりそうだ。

 

すると25分待ったところで、運転手さんが二人の男性を連れてくる。そしてまったく悪ぶる様子もなく、じゃあ行こうか!とアクセル全開で出発する。

 

鳳凰までの高速道路
鳳凰までの高速道路

 

ブーン…。

 

明かりの少ない高速道路を、安定の爆速でバンバン飛ばす。3回目の長距離ドライブとは言え、やっぱり速度はマジでガクブルだ。

 

パッシングも鳴り響き、トラックの幅寄せもガシガシ食らう。しかし運転手さんは平気な顔で、助手席の男性と談話を交わす。

 

だ、だから速いんだって…!!怖いんですって…!!

 

そう日本語で呟きながら震えていると、もちこも必死にシートベルトを握っている。この車内で震えているのは、私達日本人だけだ。

 

ザーサイじゃない…。日本に持ち帰るべきお土産は、きっとこの鋼メンタルだ…。

 

何事にも動じないこの精神力は、お金では買えない稀有な素質。この爆速ドライブに耐えれば、もしかしたら私のハートもカッチカチに…。

 

鳳凰までの高速道路

 

そんな爆速運転に耐えること、約70分。遂に外のイルミネーションに、鳳凰の文字が現れる。

 

車内の観光客四人はおお~!と歓声を上げ、運転手さんもよりノリノリに。どうやら念願の鳳凰まで、本当にあと少しのようだ。

 

中国湖南省鳳凰の明かり

 

なんだあれは…。

 

前方に現れる、無数の明かり。宇宙母船のような煌びやかな光が、闇夜全体に散りばめられている。

 

ま、まさか…。あれは全て、街の明かりなのか…?

 

ざわつく車内の雰囲気を察し、運転手さんは最高にご機嫌。明かりが次第に大きくなり、それが川に沿った建物なんだと分かり始める。

 

ついに来た。間違いなく、鳳凰の明かりだ。

 

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猛烈に立地条件の良い、ドミトリー家興楼

 

そして周囲が真っ暗になった、夜21時。遂に念願の鳳凰に到着する。

 

途中幾度も明かりに迎えられながらも、凝視することをためらった。何故なら最初に見る光景こそ、ずっと記憶に残るものだから。

 

運転手は煌びやかな街並みを抜け、まずはドミトリーに向かう。そしてそこでは、笑顔満タンの女性店主がお出迎えしてくれた。

 

中国湖南省鳳凰

 

よく来たねぇ!

 

店長さんに挨拶されるものの、周囲が暗すぎて良く分からない。にもかかわらずどこから来たの?まぁ日本から!と、女性店主は滅茶苦茶に気さくだ。

 

これから二泊するため、この明るさは最高にありがたい。彼女に導かれるまで、まずは本日のドミトリーへと先に向かおう。

 

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そして案内されたドミトリーの雰囲気は、THE・中国。ロビーにはお店の子供たちが走り回り、笑顔で挨拶をしてくれる。

 

どうやらご家族様で経営をされているらしく、隣ではお婆ちゃんがお食事を片付けている。きっとキムチを食べていたのだろう、すごく美味しそうな香りだ。

 

早速ロビーで受付を済ませ、大きな荷物を部屋に置きに。ただもう心は完全に鳳凰の夜景に向いており、一刻も早く飛び出したい気分である。

 

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部屋も非常に綺麗で、これで1人1泊約120元(約2.000円)。ベットもふかふか、ゴールデンレトリバーが寝ていも違和感無し。

 

めちゃめちゃに良いじゃない!鳳凰の夜で酔いつぶれても、このお部屋なら快適な朝になりそうだ。

 

さらに最低限のアメニティも整い、快適な三日間が過ごせそう。まさに鳳凰を満喫するために特化した、最高の宿泊場所である。

 

ドミトリー 家興楼

 

そして荷物を置いて受付に戻ると、なにやら店主が手招きしている。するとちょっと見て!と言いながら、一枚の大きな紙を見せてくれるのだ

 

中国湖南省鳳凰の地図
中国湖南省鳳凰の地図

 

鳳凰の地図だ!

 

何やら街の見取り図が描かれた、一枚の古風な地図。じっくり覗き込むと、どうやら手書き風の鳳凰の街の構図が乗っている。

 

今、あなた達はここにいるのね…。そしてここをね、こう進むとね…。

 

店主は優しく丁寧に指で道順を教えてくれ、私たちもふんふんと頷く。どうやら鳳凰は意外にも小さな街らしく、お勧めの場所に〇をしてくれる。

 

さらにこのドミトリーから歩いて約1分ほどで、鳳凰のメイン場所に抜けられるらしい。鉛筆で道順を教えてくれると、本当に目と鼻の先だった。

 

まさかこの場所が、そんなナイススポットだとは。飲んでも食べ歩きをしても速攻帰れる、まさに超便利ドミトリーじゃないか。

 

もう我慢できない。

心と胃袋は、もうケロッグコンボ状態だ。

 

鳳凰の地図を貰い、感謝の一礼と共に外に飛び出す。店主は気を付けてね!と手を振り、笑顔で送り出してくれる。

 

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はぁはぁ…。(走ってる)

 

ドミトリーの門を飛び出し、言われた方向に突き進む。もう少し先に光が見え、ソワソワ感も止まらない。

 

まるで気分は、初めて海に来た小学生。念願の鳳凰の夜景が、あと数十秒で展開されるのだ。

 

そして広がる、眩い世界。遂に辿り着いた、念願の光景。

 

中国湖南省鳳凰の夜景

 

こんばんは鳳凰。

 

日本から来た、ねこやまと申します。これから三日間、どうぞ宜しくお願い致します。

  

思わず挨拶をしてしまう、眩いほどの美しさ。あらゆる夜景が水面に反射し、まるで磨かれた鏡の城のようだ。

 
何という光景なのだろう。言葉がないと分かりながら、言葉を探してしまう衝撃の光景。

 

暫くの間立ち尽くし、ただ茫然と光の余韻に酔いしれる。早く晩御飯を決めないと、お店が閉まってしまうと思いながら。

 

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