ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中国旅行記22 感謝の鳳凰最終日ととことん素直な子供達

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残り、あと10時間

 

この僅かな時間で出来ることは、全てやっておきたい。美味しい文化に触れることも、この地の記憶を刻むことも。

 

最終日に関わらず、未だ新鮮な鳳凰の街並み。もし今日が初日なら、どれほど最高だったか。

  

 

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手繰り寄せる鳳凰の絶品料理たち

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入れ放題か…。

 

注文した牛肉麺を待つ間、ふらふら店内を探検する。するとトッピングは全て無料のようで、中国らしい香味がタップリ設置されている。

 

こんなに激盛りの唐辛子、一体どんな激辛ファンが使うんだろう。そう思った矢先、隣のお婆ちゃんがパッパと3掬い丼に入れていく。

 

その真っ赤に燃え上がった牛肉麺、本当にお婆ちゃん大丈夫なのだろうか…。しかしそんな不安をよそに、彼女はずるずる美味しそうに召し上がる。

 

そして私達にもすぐ、注文した牛肉麺が運ばれてくる。それは12元(約204円)にも関わらず、大家族の食卓中央に置かれそうなキングサイズだ。

 

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でかい。

 

そしてなにより麺が多い。サービスで3玉入れてくれてるんじゃないかと思う程、麺とスープの比率がおかしい。

 

あぁこれは、川下りで冷えた体に最高に沁みそうだ。さっきのお婆ちゃんももう半分食べているが、その食事速度も納得だ。

 

激辛は大好物のため、できれば先ほどの唐辛子もぶっこみたいけど…。ここは大人しく、まずそのままの味わいを楽しもう。

 

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そして麺を大きく持ち上げ、そのボリュームを確かめる。やはり凄まじい麺量だ。

 

品川で食べた塩ラーメンは、麺を持ちあげたら丼底の文字が見えたのに。食べていないのにまたのお越しを!と言われた、あのラーメンとはえらい違いだ。

 

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そして味わいも、劇的に旨い。麺も良し具材も良し、もう天下無双だ。

 

何肉か分からない不安はあるが、ホルモン的な肉のダシが良く効いている。麺は平麺でのど越しも良く、レベルの高い生麺のどん兵衛と言ったところ。

 

この量で12元、なんというライバル殺し。都内のビル群にお店を出せば、一財を築けるポテンシャルじゃないか。

 

さらにスープは出汁とピリ辛感が溢れかえり、思わずごくごく飲み干す一杯に。減塩しなさい!と言われても、決して止まれぬ危険な喉越しだ。

 

ダイエットは明日から。そんなキャッチフレーズが良く似合う、最高の牛肉麺である。

 

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そして夢中で牛肉麺と戦っていると、お客さんが次々なだれ込んでくる。どうやらお昼時間ど真ん中らしく、休憩中の他のご飯屋の店員さんもいらっしゃる。

 

おお、ライバル店にもかかわらず、ここに食べに来るのか。何だかお互い認め合っているみたいでカッコいいな。

 

そんなことを考えていると、並んでいる方から目の圧力を頂戴する。麺全部食べちゃってるよね…?といった、早く席開けてねアピールだ。

 

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丁度もちこも食べ終わり、レジで美味しかったよ!とお会計を済ませる。そしてお店を出ると、外はもう真夏並みの直射日光だった。

 

行きかう人々も汗を拭い、お仕事中の方も大変そうだ。大きなカゴでお米を売っている方も、きっとポカリが飲みたいだろう。

 

そして同時に思い出す。そうだ!もちこの杖を買わなければ!と。

 

もちこは当然ながら、ヤダヤダと駄々をこねまくる。足も全然痛くないから、杖とか全然必要ないと。

 

嘘おっしゃい。先ほどからの移動速度は、もう完全に80歳のお婆ちゃんだ。

 

確かに杖はビジュアル的にダサいかもしれないが、ここは大人しく使いなさい。でないと残りの旅程も、永遠にひょこひょこすることになるんだから。

 

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嫌がるもちこを連れ、お土産屋さんに突入する。ご年配の観光客も多いこの街なら、きっと杖もあるはずだ。

 

するとさっそく一件目で、あっけなく杖と遭遇する。しかも木製で仕上げられた、結構ガチ勢が使う杖である。

 

もちろんそのビジュアルに女子力は皆無だが、ここは顔と心を鬼にしよう。嫌がるもちこに、お気に入りの杖を選ばせよう。

 

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悪くない。ちょっと魔女感はあるものの、なかなか似合っているのではないだろうか。

 

近くのお子様がかなりガン見しているが、とても歩き易そうだ。身長も低い彼女は、きっとご年配の方のサイズがぴったりなんだ。

 

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そしてデザインも、なかなかにメンズ心をくすぐってくる。恐らく鳳凰をイメージした龍のお口に、懐かしさを感じるビー玉がセットされている。

 

これで15元(約255円)というのだから、コスパはなかなか悪くない。ただ女性受けは一切気にしていないため、記念日の贈り物としてはNGだろう。

 

お誕生日おめでとう!と、高級レストランでこの杖を渡したら…。考えるだけでゾッとする。

 

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さらに日本人が杖を突く光景は、どうやらキッズの興味をそそるらしい。小道の子供達も愛車を止め、こちらをじっと見つめてくる。

 

話かけたさそうにモジモジするその姿は、まさに世界共通。しかしこちらから話しかけると、猛ダッシュで逃げていく。

 

なんと可愛らしいのだ。まるで私の幼少期を見ているようだ。(真顔)

 

ちなみに鳳凰の子供達は、多くがご商売をお持ちである。彼らは道端で、観光客に綺麗な花束をガンガン売っている。

 

そしてその商魂は、極めて逞しい。10mくらいなら平気で追いかけてきて、花!花ぁ!!とバンバン購入を勧めてくる。

 

しかも中には、驚異の商魂を見せる女の子が存在する。私はその子が、本当に怖い。

 

その子の名前は、ハナちゃん。私が勝手にそう呼んでいるのだが、このハナちゃんは本当に強い。

 

まず彼女はお子様の平均追跡距離の10mを余裕で超え、軽く20mはついてくる。しかもその間、花束をむぎゅううう…と私に押し付けながら。

 

い、いや痛いよ!と言っても、当然日本語だから通じない。いやもしかしたら、それが中国語でも、きっと彼女には関係ないのだろう。

 

そして我が娘の様に終始後を追い、最終的にはお店に入るまで追跡する。もうマリオカートの赤甲羅も真っ青の、驚異の商魂の持ち主だ。

 

そんな彼女には、この鳳凰にいる間に3回遭遇した。そしてその度にぎゃあ!!と逃げ出すが、彼女は無表情で追いかけてくる。

 

当時を思い出すと、今もハナちゃんの真顔が脳裏によぎる。買うまで逃さないといった、あの彼女の凄まじい商魂を。

 

ただ彼女達にも、きっとノルマがあるんだ。ご自宅で待つご両親や兄弟、そんな家族のために働いているのだろう。

 

決して悪いことではなく、むしろ生きるために必要な力強さ。ただ日本の文化との違いから驚いた経験をした、というお話である。

 

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そんな子供たちと出会いながら、鳳凰最後の夕暮れを楽しむ。折角なので鳳凰大橋から街を一望することにし、根性で高台まで登ってみる。

 

もちこも時間をかければ足も痛くないらしく、ゆっくりのんびり移動する。こういった散策も、最終日ならではの余裕かも知れない。

 

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3日間お世話になった、鳳凰の街。

 

きっとこの街にとっては、私達は観光客の一部にすぎないだろう。しかし私にとってこの街は、人生で一・二を争う素晴らしい場所だった。

 

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そしてふと気が付くと、川沿いの家はほぼ全て宿泊地。その茶色に輝く木造建築は、全て観光客向けに改修されているのだ。

 

すごい。一軒欲しい。そしてこの街で、お好み焼き屋でも開業したい。

 

あ、いやダメだ。この街に日本料理店など開こうものなら、ちょっと怒られちゃうかもしれない。

 

夕焼けに変わりゆく街並みを眺め、そんな妄想を楽しんでしまう。もし本当に許されるなら、定年後に永住申請でも出してみよう。めっちゃお金かかるけど。

 

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まだ見ぬ魅惑の絶品おつまみ

 

そして街が夕日に変わる頃、私たちは最後の散策に繰り出した。もうこの街で見逃したものはないだろうか、そんな最終チェックの意味合いを含めて。

 

しかしそんな気持ちも、一瞬にして裏切られる。この街はギリギリまで、飽きることのない仕掛けだらけなのだ。

 

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10元30串…。

 

なんだこの魅惑ワードは。一体何が、10元30串なんだ。

 

10元30串と言えば、つまり1串約6円。そんな鳥貴族を敵に回すような、価格破壊がありえるのか。

 

思わずその店内に駆け込み、激安串の正体を探す。もしかしてこれは、使っちゃいけないお肉を使っちゃっているお店なのか…。

 

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まるでお彼岸のお線香のような、束になった謎の串。どうやらこれが激安30串の正体のらしい。

 

鶏肉でもなければ、豚肉でもない。当然高額な牛肉のはずもなく、もしかしてウサちゃん…。(ガクブル)

 

しかし周囲では、沢山の観光客たちが謎串を嬉しそうに頬張っている。しかもその表情は、かなり恍惚な笑顔である。

 

この串に出会えてよかった…♪そんな表情の女子大生や、もう30串いっちゃおう!と意気込む、へべれけおじさん。あぁ何と、購買意欲をそそる表情なんだ。

 

私も思わず列最後尾に並び、その串を購入することに。もしここで買わなければ、確実に以後3年は夢に出るだろう。

 

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そして注文すると、おばちゃんがはいよっ!と謎串を手に持つ。さらに鉄板に油を大量に注ぎ、ガンガン加熱していく。

 

じゅわわわわ…。

 

周囲が一気に熱気に包まれ、おばちゃんの額からも汗が流れている。なんだなんだ…。いったいこれから、どんな調理が始まるのだ。

 

 

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