ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中国旅行記24 蹴りに怯える杯化の寝台列車とカップラーメンの真実

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お菓子で満腹。

 

社会人になってから、忘れていたそんな感覚。ただ待ち時間でのお喋りには、凄まじいお菓子が必要だった。

 

未知のお菓子を手に取り、その魅惑の味を発表する。そんな楽しい時間を過ごすと、寝台列車の出発時間はあっという間だった。 

 

 

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寝台列車の出発と中国蹴り事情

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23時54分。

 

深夜の謎のテンションタイムに差し掛かった時、寝台列車がホームに到着する。アナウンスと共に、人々も眠そうに目をこすりながら大移動の開始である。

 

ただ皆からワクワクが滲み出している。確かに14時間もの寝台列車なんて、人生でもBEST5に入る特大イベントだ。

 

その気持ち、本当に良く分かる。もし私が小学校低学年なら、きっと父親に叱られるほど走り回っていたと思うよ。

 

周りの人々の声も一オクターブ高く、カップルたちも大変楽しそう。間違いなくこの深夜のテンションタイムが、私たちの笑いを加速させているのだろう。

 

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そして全ての荷物を持ちながら、どんどん進む。するとホームは駅構内と違って少し肌寒く、早く寝台列車に入りたいと足早になる。

 

同時にカメラもぶれまくり、何を撮っているのか分からない写真だらけに。どうやらスマホの連射機能で、前の方を140枚ほど激写していたらしい。

 

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あぁ、これか!!

 

本日の主役を見つけた瞬間、思わず大声になってしまう、これが長年憧れた、中国の寝台列車か…。

 

その名前は、Z288。間違いなく電車の名前ではないと分かっているけれど、このZ288が本日のドミトリーだ。

 

そうと分かったら、まずはチェックインをしなければならない。受付の女性に予約番号を伝え、本日のお部屋のカギを受け取ろう。

 

なんだか本格的にバックパッカーらしくなってきた。ここはひとつ外人っぽく、片言の英語で受付をしてみようかな。迷惑だからダメかな。

 

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もちろん入り口には多数の列ができていたため、大人しくもちこにお願いする。私の片言過ぎる中国語では、貨物室に通されちゃうかもしれない。

 

駅員さんは大変優しく、そして迅速に受付を終わらせてくれる。そして良い旅を!的に送り出してくれ、じゃあ行ってくるね!と寝台列車に入場する。

 

ちなみに寝台列車のお値段は一人484元(約8.228円)。今までのドミトリーで最も高額だが、個人的には宿泊もできるディズニーランドに来た気分だ。

 

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そしてこちらが、乗車券。駅員さんに一人二枚のカードを渡され、無くさないでね!と注意される。

 

本日のお部屋番号が記載された、まるでルームキーのような形状。ただ部屋は中から鍵を掛けるタイプであり、このカードを使って入るわけではない。

 

自分たちの部屋を見つけ、そして中に入るだけ。あくまでこの乗車券は、乗客であることの確認に使用するらしい。

 

ただここまでは、何も問題ない。ここからが緊張の瞬間なのだ。

 

見知らぬ4人で個室を共同利用する、今回の寝台列車。今までのドミトリーと違い、私達だけで占領できる完全個室とはワケが違う。

 

もし既に同室の人が乗車しており、そしてお疲れで爆睡していたら。さらにその際に中から鍵を掛け、そして極めて深い眠りに落ちていたら…。

 

きっと防音加工の施された扉の外から、いくら呼び掛けても声は届かないだろう。もしそうなってしまった場合には、一晩中部屋に入れない恐れがある。

 

実際にそのケースもあるらしく、別室があてがわれる可能性もある。ただできるならば、トラブルなしで穏便にグースカしたいものだ。

 

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ではいざ、答え合わせに出発しよう。無事に部屋に入れますように。

 

まずは通路を通りやすいよう、荷物を背中と前にぎゅっと抱える。脱獄上手な猫の如く、体幅を細く細く変化させる。

 

そして通路をツツツーと移動し、今宵の部屋を散策する。ただ寝台列車の車内は非常に広く、なかなか部屋が見当たらない。

 

さらにどの部屋も同じような形のため、乗車券を見ながら散策する。全ての部屋番号を調べるその作業は、新幹線の座席探しとそっくりだ。

 

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ここかな?

 

コボケを挟みたくなる、綺麗なお手洗い。さすがに市内の公衆トイレの様に、外から丸見え!という感じではないらしい。

 

これなら寝ぼけて突撃しても、相席する可能性もない。ただその排出音は外まで聞こえ、新幹線と同様にかなりの爆音だ。

 

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んじゃここかな?

 

ちょっとボケるにも無理がある、こちらは給湯場所。朝の珈琲やカップラーメンを食べる際、きっとお世話になるだろう。

 

明日の朝ご飯もカップラーメンのため、きっとパジャマ姿でお邪魔する。ただきっと皆が利用するだろうから、湯が切れる可能性もあるかもしれないな。

 

そんな二回の小ボケを挟み、ついに発見する。乗車券に記載された2号の33と34の連番の部屋を。

 

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なんていい感じなんだ…!

 

広すぎることも狭すぎることもない、絶妙な秘密基地感。お子様が喜びそうな、完璧にオープンな寝台ベットだ。

 

そして幸運なことに、もちこと上下のベット。50%でベットが別になる可能性があったが、これなら寝返りでギシギシしても文句を言われない。

 

さらにもちこは女性のため、見知らぬ男性と同じベットなのは流石に嫌らしい。加えて未だ捻挫も完治しておらず、上のベットに登るのも難しいだろう。

 

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中国寝台列車のガクブル事変 

 

そしてふと、一つのことに気が付いた。それはずっと危惧していた、同室の相方に関する問題だった。

 

いないのだ。私達以外の乗客が、全員揃っていない。

 

同室には同じ杯化で乗車した一人の方だけ、残りのベットがガラリと空いている。さらにその一人の方もとても優しく、思わぬトラブルに繋がることもなさそうだ。

 

さらにこの杯化駅の出発は23時54分発のため、次の駅から乗ってくるとも考えづらい。つまり危惧されていた同室の方とのトラブルも恐らくなく、快適な一晩が過ごせそうだ。

 

あぁ、何とラッキーなのだろう。バックパッカー的にはトラブルの一つも体験するべきだろうが、平和が良いに決まってる。

 

寝ている間にお財布を取られる危険もなく、平穏無事な14時間が過ごせそうだ。世界仲良くしましょ協会の理事としては、大変嬉しい誤算である。

 

しかし。

 

そんな事を考えていると、不意に周囲から怒鳴り声が上がる。猛烈な怒鳴り声と共に、周囲に緊張が走るのだ。

 

 

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