中国旅行記27 遠慮のない紹興の夜と最終地上海の喧騒
あなたまさか。
目の前に飛び込む光景に、一瞬で心を奪われる。大きな紹興酒の瓶を掲げ、あなたは一体何をしようというのか。
ただきっと、場を盛り上げるフリなのだろう。ちょっとだけ口に含むような、エンターテイメント的な感じに違いない。
遠慮なく騒がしい紹興の夜
隣の団体の女性が掲げる、大きな瓶。それは先ほどから私達がちまちま飲む、度数14度~16度の紹興酒。
この小さな一杯でも、紹興酒の価格は24元(約408円)。それを大瓶で購入するとは、中国富裕層のガマ口はなんて屈強なんだ。
度数はウイスキーやウォッカほど高くないが、一気に飲み干すとクラリと来る。そんな紹興酒が、二リットルは入るだろう大きな土瓶。
その大瓶を、いま一人の女性が天高く掲げる。中国語は理解できないが、きっといくぞぉ!的な掛け声と共に。
そして周囲からも歓声が上がり、周りの人々もスマホを向ける。どうやら日本でも恒例の、あの儀式だ。
いったー!
瓶に口を付けないよう、他に飲む人への配慮を忘れずにいったー!
さらにその飲み方のおかげで、実際どれくらい飲んでるか分かるようにいったー!
飲む飲む。もう、すごく飲む。
最初は恐らくフリだろうと思っていたが、どうやら本気だ。中国海賊の末裔かと疑うほど、ぐいぐい瓶を軽量化する。
あぁこれは、エンターテイメントを兼ねた実演だ。人々の目を楽しませつつ、自分自身も紹興酒をガブガブ楽しんでいるんだ。
さらに瓶を持ち上げる角度の変化を見ると、その総飲酒量も予想できる。目算ではあるが、一気に800mlほどやっちゃったんじゃないだろうか。
そして飲み終わりもケロリとした表情で、目の前の男性に何かを指摘する。指差し確認しながら、強めの口調で何かクレームを入れているようだ。
何だろ何だろ。男性の発注ミスでも、ここぞとばかり指摘しているのかな。
それとも次の紹興酒持ってきなさいよ!と、お代わり紹興酒の要求かな。どちらも否定できないが、男性もその圧力にタジタジだ。
さらに女性の左手は、器に移した紹興酒をしっかり握って手放さない。この国の女性は、なんと逞しくて強いのだろう。
しかもこれほど騒々しい一気飲みにもかかわらず、店員も注意するどころか拍手を投げる。きっとこの国の文化では、これも必要なコミュニケーションなのだろう。
さらに隣の私たちが日本人だと分かると、ガンガン話しかけてくる。日本人大好きだよ!と本音と酔いが混濁した、真っ赤なお顔で。
結局彼らは2本の土瓶を飲み干し、飲み会は佳境を迎える。同時に私達の夜も、紹興酒と一緒に更けていった。
紹興の朝と素晴らしい朝ごはん
10月23日朝7時。
経験のない種類の二日酔いを感じながら、ベットからもぞもぞ這い出す。どうやら昨日の紹興酒が残っているらしく、ほんのり良い気分だ。
もちこも布団の中でもぞもぞ動き、沈む様に爆睡している。昨晩私の倍は飲んだだろう彼女は、いまだ夢で乾杯中なのかもしれない。
そして今日の新幹線は、12時5分発。まだまだ時間に余裕もあり、二度寝も許される状況だ。
ただ本日の新幹線は、このバックパッカーにおける最終回。何度もお世話になった移動手段とも、これにてお別れだ。
そう考えると、思わず目も冴える。この貴重な滞在時間を大切にしようと、無意識に目が覚めてしまう。
部屋の衣服を片づけながら、せっせとバックパッカーの格好を整える。巨大なリュックを抱えての大移動も、残念ながら今日でラストになりそうだ。
そして同時に、お世話になった相棒も断捨離する。ここまでもちこの第三の足として活躍してくれた、鳳凰の杖ともここでお別れだ。
貴方のおかげで、もちこはいつもの歩行を取り戻した。これからは、この部屋を訪れたご年配の方を支えて欲しい。
そう考えて部屋の傘立てに、そっと杖を忍ばせる。貴方の新しいご主人が、やんちゃなお子様であらんことを。
早速ホテルをチェックアウトし、朝ご飯を散策する。二日酔いの翌日は、なぜこんなに空腹なんだろう。
外に出ると紹興の街も既に目覚め、人々が車道をバンバンすっ飛ばしている。ノーヘルのスクーターや側面ボッコボコの車など、大変逞しい光景ばかりだ。
私たちも大きなリュックを背負い、お食事処を散策する。昨晩はかなり散財してしまったため、出来れば朝は40元(約680円)程度で済ませたい。
お財布と相談しながら歩いていると、不意に良い香りが漂ってくる。なにやら宇都宮の餃子のような、胃袋を直撫でする香りじゃないか。
くんかくんか…。ここかな…?
焼きたて小籠包。
そういえばこの中国に来て、まだ小籠包を食べていない。刀削麺や魯肉飯はモリモリ食べたものの、このメインディッシュを忘れていた。
小籠包、美味しかった?
よく考えれば、帰国したら高確率でそう聞かれる。そしてそこで口ごもれば、本当に行ったのか!?と、尋問されてしまう。
これは大きな過ちを犯す所だった。ここはお土産話の引き出しを、もう一段増やしておくべきだ。
ただ店内は、ガラガラ。絶賛朝ご飯タイムにも関わらず、この閑散さ。
大丈夫かな…。このお店、美味しいのかな…?
思わず疑い深い部分が飛び出す、結構な閑古鳥の泣きっぷり。通りに漂う暴力的な小籠包の香りと比較して、この客数は妥当なのだろうか。
しかし、明らかに美味しそうではある。店員さんの笑顔も可愛く、店内に清潔感も漂っている。
さらに朝ご飯メニューも豊富で、足しげく通う理由も盛りだくさん。小籠包や炒飯など、今食べたいご飯を理解してくれる満足の品揃えだ。
しかもお値段も大変お安く、炒飯と小籠包の二つで24元(約408円)。ちなみに鮮肉生煎とは、新鮮なお肉使ってますよ!という、上海名物の焼小籠包だ。
これほどいいね!と押したくなるのに、なぜガラガラなんだ。もしかしてそんな魅力を帳消しにする、大きな短所でもあるのかな。不味いとか…。
不思議に思いながら待つこと、約3分。相変わらずの電光石火で、目の前に朝ご飯が運ばれてくる。
めっちゃ美味しそうだけど…。
量も非常に多く、直火で炒められた香ばしさも漂っている。調理場からチーン!という音も聞こえてこず、レンチン料理の可能性もゼロ。
これで17元(約289円)なら、大変ニッコリな価格設定なのに。繰り返しで申し訳ないが、なぜこれほど人がいないんだろ。
大きな通りに面しているにもかかわらず、ご飯時に私達を含めて50席中5人とは。とりあえず、ちょっと食べてみよかな。
激うまである。
抜群のパラパラ感と程良い油のコーティング、鍋底で水分を飛ばした薄めの炒り卵。細く切られた牛肉も硬すぎず、しっかりと効いた塩胡椒がすごく旨い。
さらに中国独特の醤油の香りが漂い、申し訳なさそうな小葱も主張しすぎない。この只者ではない美味しさが、なぜ人気を博さないんだ…。
さらに中国では珍しく、スープもがっつり味。牛肉ベースの旨味が飛び出し、一頭買いの牛骨を使用されているのだろう。
化学調味料の味も少なく、コトコト煮込んだ祖母の味。いやこの言い方だと、祖母を煮込んだ意味になってしまうが、言いたいのはお婆ちゃんが作ってくれそうな丁寧な味わいという点だ。
素材の旨味がギュッと閉じ込められ、一すすり毎に骨の旨味を思い出す。そうそう、これぞこの国で出会えなかった、THE・スープといった味わいだ。
さらに7元(約119円)の格安価格にも関わらず、焼き小籠包も大変美味しい。齧ると飛び出す肉汁は、やんちゃすぎる園児みたいだ。
園長先生の制止にも耳を傾けず、ひたすら突き進む。そんな元気一杯の美味しさが、口の中一杯に溢れかえる。
一枚目の写真は3個しかないが、実際は6個で7元という良心価格。最初の3個はあまりの芳しさに、撮影前に食べてしまった感じである。
まさかこれほどの良心店が、こんなに閑散としているとは…。日本でこのクオリティなら、都心に一軒家の自宅を構えられるだろうに。
ただそれほどこの中国は、飲食競争が激しいのかもしれない。このレベルのお店ですら、朝からガン混みにはなれないのか。
確かに少し小道に入れば、個人の飲食店が溢れている。さらにそこは驚異的な低価格で、圧倒的に美味しいご飯が食べられる。
確かに台湾で見つけたお弁当屋さんも、一個台湾20元(約80円)という激烈価格だった。それでも大変美味しく、足しげく通ったのを覚えている。
やはりこの中国を初めとして、アジアの飲食系統は高く発達しているんだ。そしてそのクオリティに慣れた住民方は、隠れ家的なお店を知ってるんだなぁ。
羨ましい。私の実家の周囲200mには、うどん屋しかない。
そんな羨望を行動力に変え、大きなリュックを背負ってお店を出る。美味しかったよ!と告げると、店員女性も笑顔で送り出してくれた。
そして目指すは、最終目的地上海。めちゃ都会という印象しか持ち合わせていないが、きっとその認識で間違いないはずだ。
早速大通りでタクシーを捕まえ、紹興駅へひとっとび。約15元(約255円)の料金を見て小籠包12個食べられたなぁ…と、思わず暗算してしまう。
そして即座に駅構内へなだれ込み、本日の乗り場へと直行する。意外と時間がないことに気付き、駆け足でチケット発券所へ向かう。
幾度も経験した窓口での新幹線の発券も、もう手慣れたもの。中国語が話せなくとも、意外と何とかなるんだ。
お勧めの方法は、真顔でパスポートを差し出すこと。こいつマジで話せないんだな…という雰囲気を出せば、最低限の工程で義務的に発券していただけるのだ。
そして乗車口は、凄まじい人の数。流石は大都市上海行き、まるで新宿方面行きの山手線だ。
時間も正午近くということもあり、皆がモグモグしながら歩いている。私も何かちょいちょいしたかったが、上海ではきっと美味しいご飯が待っているはず。
ふと見ると、隣の子供がブドウを黙々と食べている。そしてその紫色の手で、お母さんのズボンをガシガシ引っ張っている。
それ、きっと後で怒られちゃうよ。今のうちに、拭いちゃいなよ。(ティッシュあげた)
そして駅構内が、これまた広い。何千人の乗車を想定しているのか、明らかにオーバースペースだ。
もし何かの拍子でお子様のテンションがあがり、走り出したら一大事だ。霞むほどの先の先まで、捕まえられない鬼ごっこが始まるだろう。
ただもしかしたら、中国の10月大連休である国慶節。あの国民大移動の日には、この広さでもクレイジーな混雑になるのかもしれない。
確かにこの国は、約14億人を包括する超巨大国家。国慶節には日本の約10倍の人々が、主要都市に集まる可能性もある。
つまり単純計算で、新幹線の乗り口が日本の10倍広くてもおかしくない。そう考えるとこの広大な乗り口も、決して設計ミスではないのだろう。
そして新幹線の扉が開くと同時に、人々が雪崩れ込むように乗車する。ただその勢いはえげつなく、鋼のメンタリティが要求される。
ちょ、ちょと…!お、押さないでっ…!!
や、やめたげてっ!お、お土産がっ!!(パニック)
初日から抱えていたお土産を潰されそうになりながら、なんとか乗車。すると意外と車内は混雑しておらず、ゆっくり自分の席を捜索する。
お世話になった新幹線とも、遂に今日でお別れか。これまでの想い出を振り返ると、何とも感慨深い。
あんなことや、こんなこと…。中国の新幹線には、色々な想い出を貰ったなぁ…。
胃腸風邪でぶっ倒れた時、もちこにひたすら寝させられたなぁ。でも一番に思い出すのは、車内に響くヒマワリの種を齧る音かもしれない。
そんな想い出を振り返りながら、最後の新幹線を満喫する。それはとても心地の良い、わずか90分の道程だった。
過去を想い出にしてしまう大都市上海
12時05分。
思い出話が佳境に差し掛かった頃、新幹線は上海に到着する。そして降りた瞬間、ここが大都市だと痛感する光景を目撃する。
なんたる人の数…。
平日月曜日にもかかわらず、圧倒的な乗客数。酸素が薄くなりそうな人混みで、一気にもみくちゃにされる。
さらに車内で我慢をしていた喫煙者たちが、タバコに一斉に火をつける。ライブの演出のようなスモークに包まれ、むせびながら出口に向かう。
さらにこの旅で初のエスカレーターで、ぐいぐい地下に流される。しかしこの中国では、どちら側に並ぶのが正解なのだろう。
関西では右に立ち、東京では左に立って生きてきた。どうやらこの中国では、東京と同じく左に立つのが正解らしい。
ただ中には右側に立ちふさがる猛者もおり、きっと正解はないのだろう。しかし勝手に足元が動くエスカレーターって、なんて楽ちんなんだろ。
ちょ、ちょと…!やめてっ!!
左足踏んでるからっ!(めちゃもみくちゃにされた)
なんとか新幹線乗り場を脱出し、次の目的地へ足を進める。ここから本日の目的地へは、地下鉄を利用しなければならない。
そのためにはこの切符売り場に並び、切符を買わなければ。ここは中国語を操る相方もちこにお任せし、私は二人分のお荷物を死守しよう。
もし私が列に並び、画面に英語の表記がなかったら。高確率で後ろから早くしろ!とせかされ、泣きながら帰ってくることになる。
さっそくもちこが列の最後尾に並び、次第に前に押しやられていく。何だかカステラ工場みたいで、見ていて面白い。
意外と列はスムーズに進み、これなら問題もなさそうだ。私も忘れ物してないか、リュックを開けて指さし確認しとこかな。
そう思っていると、突如列の中からもちこが叫ぶ。ねこやまぁ!と、結構な声量で助けを求めているようだ。
どしたどした。まさかお金でも忘れちゃったのか。
早速重い荷物を抱え、もちこの隣に馳せ参じる。すると彼女の右手には、しっかり10元札二枚が握られていた。
(´・ω・)?
あれ?ちゃんとお金、持ってるね?行き先忘れちゃったの?
そう尋ねるともちこは、そうじゃない!と、前方の券売機を指差す。するとそこには、中国語弱者の私にも理解できる漢字がピンクで表示されていた。
不接受紙巾。
ほうほう。もしかしてこの列は、紙幣が使えないのかな。つまりもちこが握る10元紙幣じゃ、切符が買えないということなのか。
なるほど×2。
つまり最前列まで進み、紙幣しか持ってなかったらGAMEOVER。もう一度並び直すか、近くの人に両替をお願いしなくてはいけないのか。
先に気が付いて、助かった。これは結構な確率で、気が付かない方が多いだろう。この混雑をもう一度並ぶのは、結構大変だね。
そんなミニトラップを回避しつつ、地下鉄乗り場へ進んでゆく。するとどうやら地下鉄でも、厳重な荷物チェックが実施されるらしい。
毎日利用する地下鉄で、毎回乗るたびにX線検査。いかがわしい趣味をお持ちだと、なかなかメンタルを削られる文化ですな。
さらに上海の地下鉄には、あらゆる路線が交錯している。東京や大阪と同じく、細かく迷路のような路線図だ。
もしかして各乗り換え毎に、あのX線検査は実施されるのだろうか。もしそうなら、うどん粉とか運べる気がしない。
さらにお馴染みの本家カラーリングも姿を現し、既に気分は都内の地下鉄。いやその広大さを鑑みると、日本より発展している都市なのかもしれない。
あぁ、都会だな。ここまでくると、もう別の国みたいだ。
先日まで野良犬に追撃されていたのに、もう遠い過去に感じる。この最後の上海では、中国の都会の側面を楽しんだ方が良いかもね。
そして地下鉄をすいすい乗り継ぎ、あっという間に目的駅に到着する。あまりに快適すぎて、疲れも全然感じない。
地下鉄って、やっぱり早い。謎おじさんのリンタクも悪くないが、サクサク進む地下鉄も大好きだ。
そしてエスカレーターで地上に上がろうとすると、一人の男性が目に飛び込んでくる。雰囲気的に隣の階段から身を乗り出し、何かを配っているご様子だ。
どうやら新開店のカフェのチラシらしく、自動で進むエスカレーターの乗客にテキパキ配る。さらに自分自身は微動だに動かず、ひたすらチラシを押し付けている。
階段に立ち、左手にチラシを持つ。そして自動で進んでくるエスカレーターの乗客に、そのチラシを押し付ける。
おお、なんてインテリなんだ。確かにこの方法なら、効率的なチラシ配りができる。
要は道端のチラシ配りと同じだが、エスカレーターの場合はさらに効率が良いだろう。エスカレーターに乗っている間、大抵の人が暇だもの。
ただ流されるだけの退屈な時間に、差し入れられる一枚のチラシ。何か暇潰しが欲しい、超長距離のエスカレーターで効果を発揮する高等テクだ。
そして外に出ると、どえらい都会だ。道行く人々もハイカラで、道路もビシっと整備されている。
歩く人々が片手に持つ食べ物も、お饅頭からベーグルにチェンジ。もはや私が最も田舎者、そんな可能性すら浮かんできた。
あらゆる建物が増築され、イソギンチャクのような高層ビルが立ち並ぶ。中国独特の似たような高層建築ではなく、それぞれ個性を持ったデザインだ。
おそらく世界各国から、様々な企業が進出しているんだ。つまり超高額な自社ビルが、この上海には乱立しているのだろう。
流石は大都市、どこを見渡しても豪奢な雰囲気が漂ってくる。ただそうなると、残りの経済力で楽しめるのか?という、素朴な疑問が。
しかし。
最終地点である、この上海。実は2泊分のホテルを、全く予約していない。
というのも、これには深い訳がある。決して予約忘れちゃった♪的な、ドジっ子アピールではない。
最終目的地である、この上海。ここにはもちこが働く台湾のホテルの、姉妹ホテルが存在する。
そして中国を横断することを、飲みの席でそのホテルのオーナーの息子さんに話したらしい。するともし良かったら、遊びに来てね!と、嬉しいお誘いの言葉をいただいたとのこと。
それはいわゆる、超社交辞令。普通ならば遠慮してしまう、圧倒的な定型文だ。
ただ飲みの席で、口約束を交わしただけ。そして10月23日に遊びにおいで!と、軽く約束を交わしただけ。
当然ホテルに泊めていただく確証もなく、完全に遊びに行くだけのお約束。一緒にご飯でも食べようよ!そんな意味である可能性が、極めて高い。
ただ、もしかしたら。もしかしたら!
もしかしたら、お部屋を用意してくれているのかもしれない。もしかしたら、タダで泊まらせてくれるのかもしれない…。
そんな淡い期待を抱き、この上海まで辿り着いた。だからこそ今、私たちは全くホテルを予約していない。
社交辞令を全面的に鵜呑みにした、最終都市である上海。もしかしたら本日の宿は、公園になるかもしれない。
でも信じている。この中国の人々が、心から優しいと。
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