ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中国旅行記8 風光明媚な桂林川下りと恐怖の個人ボート

風光明媚な桂林川下りの景色に、色々洗われるの巻

 

全力で挑む、世界遺産 桂林

 

始まりは留守番だったけれど、気分は最高。何故ならここ桂林の川下りは、きっと忘れられない記憶になるから。

 

強制的に休息を取らされた、川下りの前日。私の胃腸は、確実に以前の力強さを取り戻している。

 

 

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全てが揃う桂林の素敵なお土産

全てが揃う桂林の素敵なお土産

 

( ゚Д゚)(パチッ)

 

…すごく良く寝た。風邪特有の悪夢ではないが、夢の内容を思い出せないほど深く寝た。

 

真っ暗な部屋の天井に、窓の外から光が差し込んでいる。どうやら外の渓谷に、夕方のライトアップが点灯したようだ。

 

ふかふかな布団から手を伸ばし、近くにあるスマホを摘み上げる。時刻はもう、夜の19時だ。

 

どうやら2時間近く、一人で熟睡していたらしい。寝れない寝れない!と駄々をこねていても、意外と人はコロッと眠れるんだな。

 

さらにコンタクトを付けたまま寝ていたため、目はカピカピ。出来るだけ早急に、コンタクトの保存液を入手しなくちゃ。

 

しかしここまでの旅の中で、一度も出会えなかったコンタクトの保存液。この不快な目覚めは、一体いつまで続くのだろう。

 

 

そんなことを考えていると、部屋の扉がコンコンなる。どうやらもちこがカードキーを忘れたらしく、開けてくれ!と叫んでいるようだ。

 

耳慣れた日本語にホッとして、中からカチャリと扉を開ける。すると芳しい戦利品を携えたもちこが、ニヤリと笑顔で立っている。

 

どうやら約束の時間を目一杯に活用し、大変有意義な買い物が出来たらしい。すると彼女は自分のご飯と一緒に、沢山のお土産をプレゼントしてくれる。

 

全てが揃う桂林の素敵なお土産

 

まずは久しぶりに出会う、ポカリスエット。まさに寝起きの今、私と私の胃腸が最も欲しかった飲み物だ。

 

いやぁ、なんて気が利くんだろう。雪山で遭難した人にウイスキーをくれる、セントバーナードみたいだ。

 

どうやらこの桂林には、大きなドラッグショップがあるらしい。それはwatsonと言われる、中国や台湾で人気のマツキヨ的な店舗だ。

 

ん?ドラッグストア?

…と言うことは?

 

ふと何かに気が付くと、もちこはさらなるドヤ顔に。そしてめっちゃ探したよねと言いながら、念願のアレを袋から出してくれた。

 

全てが揃う桂林の素敵なお土産

 

コンタクトの保存液。

 

あぁ、やっと会えた。一体どれほど待ち焦がれたか。これであの30秒は目を開けられない、不快なカピカピ地獄から遂に卒業できる。

 

イケるかな?と思って代用していた、塩素の香り漂う水道水。やはり中国の水は、貴方の代わりにはならなかったんだ。

 

全てが揃う桂林の素敵なお土産

 

そしてさらに、ココナッツと苺の冷たいアイス。どうやらドミトリーの隣に、人気のアイス屋さんを発見したらしい。

 

こちらも一口パクリと食べると、脳まで響く衝撃の甘さ。寝ぼけた体が一気に目覚め、糖分を補給した脳がフル回転で働き始める。

 

しかしその味は、まさに極上。働きアリも仕事そっちのけで食べ始める、素晴らしい美味しさだ。

 

全てが揃う桂林の素敵なお土産

 

さらには一個一元の、謎のお漬物。これは単純に、もちこの大好物である。

 

しかし固形物だから、今日の私は食べられないなぁ。そう申し訳なさそうに相方にそう告げると、これ私のだよ?と、ひょいと奪われる。

 

どうやらこのお漬物は、ただの自慢だったらしい。しかし一個一元のお漬物とは、中々に素晴らしいコスパじゃない。

 

・ポカリスエット      4.5元(約77円)

・コンタクト保存液     22元(約374円)

・イチゴ&ココナッツアイス 12元(約204円)

・おつまみザーサイ     1.2元(約20円)

・白米           5元(約85円)

 

 

さらにもちこは不思議なおかずも買ってきたらしく、白米と一緒にモリモリ食べ始める。あまり嗅いだことのない薫りを漂わせ、白米のCMが来そうな食べっぷりだ。

 

それを見て私もお腹が減ったため、何か食べたい!とダメ元で訴える。しかしもちこの食べているご飯は、私のにはまだ難易度が高すぎる。

 

そういえば先ほど、受付カウンターに何かあったような…。パスタとかハンバーガーとか、なんか色々書いてあったね。

 

晩御飯がてら、ちょっと覗いてみようかな。もしかしたら、食べられるものがあるかもしれないしね。

 

世界対応されたドミトリーの素敵な食事

世界対応されたドミトリーの素敵な食事

 

受付に降りると、何やら香ばしい小麦の香りが漂ってくる。さらに二人の女性が、厨房らしき所からパンを運んでいる。

 

あぁ、思ったとおりだ。先輩バックパッカー達も、もりもり食べてるじゃない。

 

良く考えるとこの旅で、初めてパンと対面するかもしれない。実は朝はパン!と叫びたいほどのパン中毒者のため、50元でも買っちゃいたいんだ。

 

サンドイッチやパスタなど、もう久しぶりのご飯ばかり。中華三昧だった我々には、ここはまさに食の休息地だ。

 

世界対応されたドミトリーの素敵な食事

 

早速綺麗な受付女性からメニューを貰い、ずらりと並ぶご飯をガン見する。すると価格は想像の範囲に収まり、余裕で手が出せる範囲。

 

確かに平遥古城の12元刀削麺と比較すると、少し高めの料金設定かも。それでもなおイタリアンという付加価値があるのだから、全く持って問題ない。

 

さらに夜はカクテルやショットなども用意され、どんちゃん騒ぎも可能なようだ。しかしお酒の欄をじっと眺めていると、どこ見てんねんともちこに怒られる。

 

加えて私の胃腸は、まださすがに固形物はイケそうにない。ここは温かくホッとする飲み物で、明日以降に備えよう。

 

ドミトリーの美味しい食事

 

それぞれが注文を済ませ、ふかふかのソファーに腰を下ろす。するとソファーの後ろには猫砂があり、どうやら主は大変ネコ好きのようだ。

 

さらに坐っている時も、足元をにゃんこが優雅に散歩している。毛並みの整った綺麗な白黒、きっとこの子の名前はオセロかな。

 

ただ残念ながらもちこは猫アレルギーのため、隣で完全にフリーズしている。じっと硬直し、猫が立ち去るまで目がテンだ。

 

ドミトリーの美味しい食事

 

なかなか立ち去らないオセロを眺めていると、受付女性が飲み物を運んでくれる。これぞ弱った胃腸に鉄板の、蜂蜜柚子ティーだ。

 

あぁ、なんて優しそうな香りなんだろう。飲み物に母性を感じるなんて、初めての経験だ。

 

教科書通りの美味しさに、ホッとする蜂蜜の甘み。なんて美味しさ。

 

胃腸が一気に温まり、今ならトンカツくらい食べられそう。カップの底の柚子も綺麗に平らげ、明日の朝も飲みたい!などと会話も弾みまくりである。

 

ドミトリーの美味しい食事

 

さらに硬直するもちこにも、スパゲティが無事到着。こちらは久しぶりのイタリアンの香りを、メロメロになる芳しさが最高だ。

 

パスタの麺もしっかりと茹でられ、中華独特の脂っぽさもない。加えてさっぱりとしたソースが、中華に染まった胃腸を誘惑してくる。

 

もちこは一口食べると、すんごい旨い!と大変ご満悦だ。確かに炭水化物の時点で旨いのだから、この状況ならまさにパーフェクトである。

 

私も一本お裾分けを頂戴し、20回噛みながらじっくりと味わう。おおこれぞ、レシピ通りのイタリアンスパだ。

 

確かに味は、恐らく日本の冷凍食品の中の下の上くらい。しかしそれでも久しぶりのイタリアンは、最高に美味しい。

 

・蜂蜜柚子ティー    15元(約255円)

・イタリアンスパゲティ 22元(約374円)

 

心地良いドミトリーの環境

 

さらにロビーには食事中のバックパッカー達が沢山集い、皆一様に挨拶を交わす。パンを食べるもの、ビールを飲むもの、その楽しみ方は多種多様だ。

 

私もバックパッカー仲間のふりをして、彼らと軽い挨拶を交わす。ただ昨晩一泊8,000円のホテルに泊まったと知られたら、きっとチョップでも食らうだろう。

 

さらにこれまでの旅の話を交換すれば、我々が偽バックパッカーであることは即バレだ。きっと巨大リュックを背負った白人に、あっという間に取り囲まれちゃうに違いない。

 

 

そして全然関係ないお話で、大変恐縮だけれども…。

 

なぜ白人とは、あれほど標準装備でイケてるのだろう。私がGUCCIを着て、彼らがシマムラを着ても、その勝敗は明らかだ。

 

白人、良いなぁ…。隠しきれない憧れを抱きながら、柚子ティーをゴクリと飲み干した。

 

 

AMAZONでダウンロードしたアニメをもちこと見ていると、夜も次第に更けていく。お酒を飲み始める人々も増え、ビリヤード場は大変な活気だ。

 

周囲の笑い声はより多くなり、このドミトリーも夜更かしモードに変わるのだろう。 目の前で啤酒が飛ぶように売れ、国籍関係なしの交流が始まるのだ。

 

 

어디에서 왔는가?

 

アニメのセリフだと思っていると、ふと一人のパッカーに話しかけられる。それは恐らく韓国語だと思われる、全く未知の言語だった。

 

私が (;´・ω・)?という顔を見せると、次は中国語・英語と、様々な言語で話しかける。しかし私たちを韓国人だと思っている彼は、基本韓国語をぶっこんでくる。

 

誤解を解こうと日本人だよ!と告げると、おお~!と不思議なリアクションをくれる。日本…いいよね…!と、絶対今頑張って褒めるとこを探してくれた感じだ。

 

聞くところによると、どうやら彼も中国をグルグル周回しているらしい。そしてこの桂林で、気ままなバックパッキングを楽しまれているようだ。

 

そんな彼は、まさに驚異の社交性の持ち主。イヤホンをしている人、食事中のイギリス人、誰彼構わずガシガシ話をふる。

 

さらにオセロにまで何かを語り、もう国境も生物の壁も関係ない。恐らくこういう方こそが、バックパッカーとして最高の経験ができるのだ。

 

思うに友人が多いだろう彼は、明日は一体どこに行くのだろう。きっとそこでも、沢山の想い出ができるに違いない。

 

 

そんな事を考えながらアニメを見ていると、なんだか次第に眠くなる。そしてペルソナ第5話を見終えたところで、明日に備えて眠ることに。

 

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値段の異なる、二種類の桂林川下りツアー

値段の異なる、二種類の桂林川下りツアー

 

10月17日早朝。

 

念願の桂林川下り当日。前日は雨予報だった天候も、何とか踏ん張ってくれたようだ。

 

ちゃきちゃきと支度を済ませ、コンタクト保存液の有難みを噛み締める。そして受付に降り、昨晩申し込んだツアーパンフレットを眺める。

 

それは、なんとも悩ましい選択だった。その悩みに悩んだ川下りの種類は、全二種類だ。

 

まずは1人420元(約7,140円)の観光船コース。こちらは約4時間もの長時間、豪華な客船から桂林を眺める、大変バブリーなコースである。

 

ただその最大の弱点は、言わずともがなその金額。2人で840元も吹き飛ぶ、かなりの散財ツアーである。

 

そしてもう一方は1人約180元(約3.060円)の、小さな個人ボートコース。こちらは約二時間と半分の時間で、小さなボートに揺られて観光する。

 

しかしその懸念材料は、正体が分からないこと。いったいどれほど個人なのか、完全に予想がつかないのである。

 

写真を見る限りはある程度サイズはあるらしいが、どうやらその情報も確定ではない。そのためサイズによっては、快適な川下りができない恐れもある。

 

 

価格が倍以上離れている、この二つのコース。前者はこれからの旅を考えても、決してお安くない料金だ。

 

しかし約2時間にも及ぶ、小さなボートでの川下り。こちらは果たして、色々と大丈夫なのだろうか。

 

まず途中でトイレに行きたくなったら、一体どうするのだろう。今の私の胃腸具合を加味すると、川下り中に私自身が下る可能性も非常に高い。

 

もしそうなった場合、果たして個人ボートにお手洗いはあるのか。まさか川に受け止めていただくなど、そんな罰当たりな方法だったりしないのか。

 

さらに雨が降ったり川が氾濫したら、流されちゃったりしないだろうか。パンフレットを見る限り、おじさんが竹ボートにニコッと乗っているだけである。

 

 

ただ観光客船の場合、正直言って値段がやばい。さらにバックパッカー感は皆無であり、本当にこれでいいの?的な気持ちもある。

 

しかし4時間もの長時間、優雅な川下りができるのは最高に魅力的。さらにガイドやご飯も付いており、加えてドミトリーからの送迎まで完備されている。

 

もしここでケチり、悲しい記憶になっても最悪だ。さらによく考えれば高額といえど、新宿で一回飲む程度じゃないか。ちょっと背伸びしたお店だけど。

 

熟考した末、840元をお財布から出して受付女性に申し込む。そしてここまでが昨日寝る前の、ハイライトである。

 

 

そして今、私たちは迎えのお車を待っている。まだ朝の7時半、この旅では少し遅めのお目覚めだ。

 

さらに今夜は川下りの終着点で一泊する。つまりこのドミトリーに戻ってくるのは、明日のお昼になるのだ。

 

もちろん川下り後にココ(桂林中心地)に戻る選択肢もある。ただ川下りの終着点も、大変魅惑の街らしい。

 

それは陽朔と呼ばれる、屋台や優麗な山々に囲まれた素敵な街。できれば半日でも散策したい、人気観光スポットなのだ。

 

ドミトリーのロッカー

 

いわゆる本日の私たちは、お出かけだ。ちょっと別のドミトリーに泊まってくるね!といった感じの、川下りを兼ねたちょっとした外泊である。

 

そのためまずは受付でロッカーを借り、大きな荷物を全て入れる。さらに明日戻って来るね!と挨拶をして飛び出すと、受付女性もにっこり送り出してくれる。

 

中国人の素直さ溢れる川下り送迎バス

 

ドミトリーの外に出ると、桂林の街はもう完全に目覚めていた。道路にはびゅんびゅんバイクが走り、歩道も車道もすごい活力だ。

 

こんな早朝から、みんな急いでどこに行くんだろ。もしかして早く仕事して早く終わらせよ!という、巧みなお仕事戦略なのかな。

 

 

さらに道端にいるだけでタクシーが近寄り、駅まで行かない?と勧誘される。まさかタクシー側から誘われるとは、何ともレアな経験だ。

 

 

街路樹の隣に座り、送迎の車を待ちわびる。しかし15分、いくら待ってもそれらしい車は現れない。

 

場所間違えたかな?と考えながら、周囲をぐるりと見渡す。すると道路の向かいで誰かを探す、白バンの運転手と目が合う。

 

慌てて駆け寄ると、お兄さんは何かのリストを見せてくれる。するとそこにはMOCHIKO(※実際は本名)と書かれた、未チェックの氏名欄が。

 

そしてこれ私達!と指差すと、お兄さんはガタガタのバンの扉を開けてくれる。ウキウキしながら飛び乗ると、そこには既に先客達がギッシリだ。

 

桂林川下りまでの送迎バス

 

借金の出稼ぎ軍団みたいだね…。

 

車内の雰囲気を見て、ふと呟いてしまう。でも大丈夫、車内で日本語が分かるのは私達だけだ。(きっと)

 

そして前の席には中国人夫婦、彼らも川下りにワクワクしているのが伝わってくる。そして私たちが日本語で話していると、るーべん?(日本人?)と話しかけてくれる。

 

さらに日本大好きだよ!と中国語で言われ、なんだか気分もルンルンだ。自分の国を褒められると、まるで自分が褒められるような誇らしい気分だなぁ。

 

桂林川下りまでの送迎バス

 

そして出発したバンはすぐに止まり、運転手がタバコを吸いに外に出る。すると彼はタバコに火をつけながら、他の参加者を待つからね!と教えてくれる。

 

そして近くには沢山のバンが集合し、同じように各運転手がタバコ休憩中。どうやら様々なドミトリーから、申込者がこの場所にピックアップされているようだ。

 

ふむふむ、ということは。ここにいる方々は、あの二択に迷った仲間だな?あの二択、すごい悩んだよね?というかあの小型ボート、結構ヤバそうだったよね?

 

桂林川下りまでの送迎バス

 

車内で撮り貯めた写真を眺めていると、運転手さんが呼びに来てくれる。聞くとどうやら、ここから大きなバスで移動するらしい。

 

先ほど仲良くなった中国人夫婦も荷物を抱え、皆がバスに大移動。このバスでは約30人近くの団体が、まとめて移動するらしい。

 

さらにそこに女性ガイドさんも同伴し、英語も中国語も堪能でいらっしゃる。流石は一人420元、散財川くだりの特権だ。

 

桂林川下りまでの送迎バス

 

あっという間にバスは一杯になり、あらゆる国籍の言語が飛び交う。英語・韓国語・中国語にフランス語、そして日本語は私達だけ。

 

さらにバスツアー恒例の、ガイドさんの挨拶が開始される。皆さん元気ですかー!と猪木のような掛け声で、バスは大きく動き始める。

 

 

きっと日本人なら少し恥ずかしがるだろう、この手の雰囲気。しかし彼らは何の躊躇もなく、お姉さんの挨拶に全力で呼応している。

 

ゲンキデスヨー!!

 

あぁこんな温まった空気なら、きっとガイドさんもやり易いだろう。斜に構えて誰も挨拶しなかったら、結構きついよね。

 

尊敬すべきは、この中国人たちの素直さだ。大人も子供も一様に、オハヨウゴザイマース!と連呼する。

 

さらに女性ガイドさんから、川下りシールを貼るよう指示される。これはツアー参加者だと一目で判別するための、いわば目印だ。

 

まずはこのシールが、女性ガイドさんから最前席の方に渡される。そしてそれが前から後ろへ、授業中のプリントのように手渡しで送られてくる。

 

まるで小学生の遠足のような、ほっこりと心温まる光景。しかしそのシールが前から送られてくると、思わず本音が飛び出してしまう。

 

桂林川下りまでの送迎バス

 

ださい。

 

あまりそんなことは申し上げるべきではないが、かなりださい。グ〇コのおまけのようなデザインで、しかもめちゃくちゃに巨大だ。

  

出来るだけ目立つ所に貼ってね!

 

女性ガイドさんに見透かされ、思わず裾に隠して貼ったシールを肩に張り直す。確かにここで照れ隠しに目立たない場所に貼ると、困るのはガイドさんだ。

 

そして周囲の白人仲間達も、しぶしぶ目立つところに貼り直す。中にはi-Phoneのケースに貼る、シャイボーイも複数散見される。

 

 

しかし。

 

ここで違うのが、中国人だ。彼らはそういう点では、非常に良い意味で無頓着なんだ。 

 

まず彼らがシールを貼る場所は、大半が帽子の正面。もしくは胸元にデデンと貼り、10m以上離れていても一目でわかる。

 

きっとその考え方にダサいという発想はなく、最も合理的な場所に貼っているだけ。確かにビジュアルを気にしなければ、帽子の正面にデデンと貼るのが最良だ。

 

あぁ、何と素直なのだろう。小学校の高学年ですら、10人に1人は手首に貼るだろうに。

 

にもかかわらず、ここではコワモテのオジサンも帽子にシールが輝く。さらにはメガネの上にシールを貼り、前が見えない!とギャグを披露する猛者までいらっしゃる。

 

私は心底反省し、シールを肩にデデンと貼る。これでやっと、私も正式にこのツアーの仲間だね。

 

人数に圧倒される川下り集合場所

人数に圧倒される川下り集合場所
人数に圧倒される川下り集合場所

 

バスはどんどん山々を超え、約2時間で集合場所へと到着。そしてそこには、既に沢山の観光客が溢れかえっている。

 

その数、およそ数百人。今回私たちは、彼らと一緒に川を流されちゃうのだ。

 

しかし日本人の声は聞こえず、どうやら私たちは日本代表。ここは礼儀正しく、ナイスなカメラワークを披露しよう。

 

人数に圧倒される川下り集合場所
人数に圧倒される川下り集合場所

 

そして出発地点の川沿いには観光船がずらりと並び、圧巻の光景だ。さらに客船は三階建てで、川沿いから見てもゴージャス極まりない。

 

流石は420元、そんじょそこらのツアーとは、一味違う。既に50元くらい元を取った気分で、大変にワクワクさんだ。

 

人数に圧倒される川下り集合場所

 

そして直ぐに乗船も開始、私たちもガイドさんの後を小鴨の様に付いていく。すると前から後ろから、喚声に似た喜びの声が上がる。

 

ふあー!ふぇー!!(何言ってるか分かんない)

 

どうやら中国のおばちゃん達のテンションが、爆上げの様子である。もう列が詰まりまくるほど、バシャバシャ撮影撮影を開始する。

 

すると前の白人カップルも、じゃ僕らも!とパシャパシャ撮影を始める。そして私たちも、負けじとパシャパシャする。

 

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最高にハイテンションな川下りクイズ

最高にハイテンションな川下りクイズ

 

船内では各自に席が用意され、私たちも指定された席に着席する。さらに席には暖かなお茶も用意されており、やはり待遇はSクラスだ。

 

そして皆が席に着くとすぐ、船長的な方が挨拶を始める。ただ挨拶は中国語のため、恐らく元気ですか!的な内容かな。

 

そして直ぐに船専属のガイドさんに交代し、中国語→英語で挨拶してくれる。さらにその挨拶が終了すると、この川下りの簡単な行程の発表だ。

 

これから私たちは、どんな場所を巡るのか。

そしてその場所には、どのような言い伝えがあるのか。

 

川沿いの美しい岸壁には、一体どんな物語が刻まれているのか。

そしてそれは、どんな動物に見えることで有名なのか。

 

約5分程度の簡単な英語で流れる挨拶に、ガイドさんの歴史を感じる。流石はプロの川下リスト、その説明は脳内再生余裕である。

 

最高にハイテンションな川下りクイズ

 

さらに説明が進むと、何やら一つの写真が紹介された。どうやらこの川下りのメインスポットの写真らしい。

 

そして写真の説明が始まると、すぐに周囲の中国人が身を乗り出す。最初は中国語の説明のため意味は分からないが、雰囲気的にどうやらクイズの様だ。

 

最高にハイテンションな川下りクイズ

 

コチラヲゴランクダサーイ!(多分こう言ってる)

 

この綺麗な、一枚の岸壁写真。ガイドさんいわく。この岩肌に7頭の馬が描写されているらしい。

 

そしてそれを皆さんで探しましょう!と。分かったら手を挙げてね!と、私たちの酸化を促してくれているのだ。

 

ふむふむ。どうやらこれはツアー者の参加型クイズだ。先ほどのバス車内といい、この川下りツアーは飽きさせない工夫がすごいな。

 

ただ、全然分からない。もはや7頭どころか、1頭も見つかるビジョンが浮かばない。

 

どこ…。お馬さんどこ…!? 

 

いくら眺めても、一ミクロンも馬感がない。難しいとかのレベルではなく、答えがあるのかすら疑ってしまう。

 

もし私が子供だったら、きっと分からなくて泣いている。もう周囲の白人達に至っては、i-Phoneでグーグル先生に尋ねてるし。

 

 

ただ、彼らは違う。

 

素直さNO1の中国人達は、身を乗り出して写真を指差す。ここが馬だぁ!!とお爺ちゃんもお婆ちゃんも、超興奮だ。

 

さらにいやそこじゃないよ!と、隣のおじさんが反論する。中には僕はもう全部見つけちゃった!と、答えを出し渋る意地悪さんまで現れる。

 

そのテンションは、まさに圧巻。なぜこれほどに熱くなれるのか、心の底から驚いてしまう。

 

もしや正解者には、高額商品でも用意されているのか。そんな疑いをもってしまうほど、馬はここだ!議論が加速する。

 

さらにガイドさんから答えが告げられる度、周囲から歓声が沸き起こる。するとほら言った通りだろ!と、どや顔が乱れ飛ぶ。

 

あぁ、何て素直なんだ。この素直さがあれば、きっとどんな世界でも明るく生きられるに違いない。

 

変に斜に構えることもなく、思った感情を口に出す。この国の人々は、生まれながらに快活なのだ。

 

彼らに楽しさのお裾分けを貰い、ガイドさんの話に耳を傾ける。その約20分間の一体感は、最高に楽しい時間だった。

 

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

しばらくすると、朝のバンで知り合った夫婦方が、何やらそわそわし始める。どうやら窓の外に、広大な光景が現れ始めたようだ。

 

さらにガイドさんも説明を終え、上に行きましょう!とアナウンスをする。これはまさか、本格的な桂林川下のスタートか。

 

私たちもカメラを持ち、客船の屋上に猛進する。周囲のワクワク感も、言語の壁を貫く様に伝わってくる。

 

そして船の屋上に辿り着くと、突如広大な景色が現れる。それは想像を軽く跨ぐ、驚異の大自然だった。

 
風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

美しい…。

 

何という幽遠な、そして静かな美しさなのだろう。そこにはi-phoneは到底表現できぬ、息を飲む光景が広がっている。

 

あぁ、これが世界遺産の桂林か。こんなにも広大で人の手が加わっていない場所が、世界に残っていたのか。

 

まるで巨大な岸壁に囲まれ、その隙間を神に許可され進む感覚。もし自分がいきなりここで消えても、微動だにしない自然の怖さが満ちている。

 

さらに客船の屋上は風も心地良く、川に流れる水の香りがふわりと広がる。あぁ、桂林川下りとは、これほど心地良いものだったのか。

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

川沿いの大地には尖った山々が連なり、一つ一つが巨大生物の様に重なり合う。それは異様な圧迫感で、目がおかしくなった様な感覚だ。

 

まるで高尾山の親玉が会議をしているような、圧倒的な山々の数。全観光客のシャッター音も鳴りやまず、屋上は興奮のるつぼに包まれる。

 

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

体に悪いジュースのような、川底の見えない濃厚な緑色。自然界に生まれた巨大な洞穴、さらには沢山の鍾乳洞も姿を現す。

 

ここは人の手が加えられておらず、何万年も変わらぬ光景なのだろう。もし許されるなら、全ての山を散策したい。

 

さらに川沿いには水牛やカピバラ(?)も姿を現し、皆が長閑に暮らしている。普段は動物園の主役たちも、ここでは随所で見ることができるのだ。

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

さらに船はどんどん進み、多くの観光客船とすれ違う。その度に波が緩やかに立ち、岸辺にささーと流れ込む。

 

まるで海に来ているような、爽快な心地良さ。これほど大自然と対峙できる時間は、生まれて今までなかったなぁ。

 

あぁ、洗われる…。この風にそよがれると、色々と忘れてしまいそうだ。

 

風光明媚な絶景に震える、桂林川下り

 

さらにひと際大きく連なる、二つの岩山。そしてその時、周囲の観光客たちがゴソゴソ財布を取り出し始める。

 

何してるんだろ?と眺めていると、もちこがガイドさんを通訳してくれる。どうやらこの場所は、桂林川下りでは有数の人気スポットらしい。

 

桂林川下りの20元札

 

中国20元札。

 

この旅で何度もお世話になり、これからも頼りにしている20元札。そのデザインこそ、桂林のこの美しい場所がモチーフだ。

 

確かにこれは、完全一致だ。ということは昔この河を、手漕ぎの木船が緩やかに流れていたのか。

 

そう考えると当時の情景が、より一層濃厚に脳裏をよぎる。同時にこの大自然が世界遺産に選考された、その理由を深く理解する。

 

あぁ、涙が出そうだ。こんなに素晴らしい場所に、来られたことを感謝したい。

 

指がつりそうになるほどパシャパシャ撮影し、目でもその光景を焼き付ける。この夢中な時間を、ひたすら楽しみながら。

 

そんな没頭した時間を過ごしていると、ふと観光客からアナウンスが鳴り響く。どうやらご飯にしましょう!と、お昼ご飯のお誘いのようだ。

 

腹ペコの私たちも屋上を後にし、一階の席に舞い戻る。すると各座席には、合宿のお弁当のようなご飯がズラリと揃っている。

 

意外と美味しい船内の中華お弁当

 

ずっしり。

 

思わず開けたくなる重厚さに、香り立つ中華の香り。パッケージには桂林が描かれ、この船オリジナルなのだろうか。

 

思ったより美味しそうな香りに、期待もすごい。もしかしてこれは、絶品系中華系なんじゃないか。

 

そして私の胃腸も、体感的に4割ほどには回復してる。ここはもちこの許可を貰って、チョイチョイ摘まませていただいちゃおう。

 

意外と美味しい船内の中華お弁当

 

渋い。

 

何とも男気溢れる、メンズ系ご飯。品川クイーンズ伊勢丹で売られる、一食1000円のおしゃ弁(お洒落弁当)とは、どえらい違いだ。

 

そしてこのベジタブルミックス、絶対冷凍だ。それをお玉でガサッと入れる、パートのおばちゃんの笑顔が瞼に映る。

 

しかし一口食べると、これが意外とすごく美味しい。THE・お弁当といった、王道中華の美味しさだ。

 

事前に調べた情報では、マジで美味しくないとの評判だった。しかし約36時間ぶりの固形食だからか、もう堪らなく美味しく感じるのだ。

 

思わず一口だけの誓いを破り、モリモリお肉を噛みしめる。そしてちらりと相方もちこのお弁当を見ると、既に7割が食べ尽くされている。

 

さらに目の前のご夫婦もモリモリ召し上がっているため、やはり美味しいお弁当なんだ。特に中央の謎タレは、食欲を倍加させる成分が入ってるな。

 

しかしまだ胃腸が完全ではない私は、1/10だけ食べることに。まだ食べたい気持ちはあったが、グッとこらえて蓋をそっ閉じする。

 

しかし周囲からは、私の行動を不思議がる目線が。なぜこんなに美味しいのに食べないんだ?という、軽めの視線圧力だ。

 

いや、本当はすごく食べたいんだ…。でも胃腸の関係で、そっ閉じしたんだ…。

 

申し訳ねぇ…と心で謝り、お弁当を見えない場所にしまい込む。すると日本人には美味しくなかったのかな…と、少し寂しそうな表情をいただいてしまう。

 

ごめん…。マジごめん…。

 

 

そしてご飯を食べ終えると、急いで三階に駆け上がる。まるで給食終わりにグラウンドを取るように、良い場所を確保したかったから。

 

桂林川沿いの絶景

 

しかしそこには、既に沢山の観光客が。恐らくみんな、音速でお昼を食べ終えたのだろう。

 

さらに中には屋上でお弁当を食べる、頭脳派のお爺ちゃんも。さすがは人生の先輩、勉強になります。

 

出遅れたぁ!と少し焦るが、全方向どこを見ても美しい。何処を眺めても飽きることのない、相変わらずの絶景なのだ。

 

桂林川沿いの絶景

 

垂直に切り立つ崖に、僅かに見える野生の鹿。落ちたら絶対死ぬだろうこんな場所で、動物達が力強く生きているのか。

 

なぜそんな大変な道を歩くのか、単独インタビューしてみたい。ここ美味しい草あるんすよ♪なんて、答えてくれるかな。

 

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個人ボートの衝撃の川下り風景

 

さらに桂林の景色を満喫していると、衝撃的な光景が飛び込む。思わずもちこを呼び、私たちは自分たちの選択を褒めちぎる。

 

桂林川下りの個人ボート

 

個人ボートだ…。

 

ぎちぎちで詰められた、決められた席。そこに救命具を着て、お行儀よく座る観光客。

 

そしてその先頭には、手動で操舵する一人の船頭。全く優雅さを感じないその光景は、今でも脳裏にこびりついている。

 

パンパンパンパン…と乾いた騒音を響かせ、水辺を滑るように進む個人ボート。しかもその船は非常に不安定で、私たちの客船が作る波でバンバン揺れる。

 

……。

 

これぞ私たちが直前まで悩んでいた、もう一つの選択肢。見る限りトイレや食事もなく、楽しいガイドさんもお見受けできない。

 

きっと楽しいお馬さんどこでしょねクイズもなく、ひたすら2時間あそこで過ごすんだ。わずか半額にしただけで、これほどランクが急落するとは。

 

危なかった…。

 

少し高額だったが、この観光船にして本当に良かった。顔に付いた水しぶきをぬぐう個人ボートの船頭さんを眺めながら、ほっと胸をなでおろす。

 

桂林川下りの個人ボート

 

さらにカヌーや手漕ぎボートなど、様々な川下り手段も目に入る。まさかその他の選択肢が、こんなガチ勢だとは思わなかった。

 

もちろん個人ボートにも、個人ゆえの魅力と良さはあるのだろう。しかしそれでもその落差には、驚きを禁じ得ない。

 

もしこれがご年配の方々なら、あの二時間は結構キツい。さらにトイレが近い方には、地獄の耐久レースになっちゃうよ。

 

皆様が桂林の川下りに向かわれる、この情報が参考になれば幸いだ。ただもし次回ここを訪れるなら、私は迷わず個人ボートを利用するだろう。面白そうだから。

 

旅の終わりと楽しさに溢れる陽朔 

 

驚きを感じていると、あっという間に川下りも終盤に。30年分のマイナスイオンを全身で吸収し、残りの旅程を名残惜しむ。

旅の終わりと楽しさに溢れる陽朔

 

山々も次第に少なくなり、茶色い大地が広がり始める。そして同時に本当に終わってしまうのかと、悲しさも湧き上がる。

 

後続の船も続々と集まり、船の速度が低下する。きっとこの先に、この旅の終わりが待ち受けているんだ。

 

寂しい。ミスチルの桜井さんなら、この気持ちにどんな歌詞をつけてくださるだろう。

 

旅の終わりと楽しさに溢れる陽朔

 

船内にもアナウンスが流れ、終了の雰囲気が周囲に漂う。そして皆も大変名残惜しそうに、忘れ物の有無を確認する。

 

私たちを乗せた観光船は小さな波止場に向かい、そこには沢山の船が集う。どうやらここで、他の観光客とお別れだ。

 

旅の終わりと楽しさに溢れる陽朔
旅の終わりと楽しさに溢れる陽朔

 

静かに停車する観光船から降り、4時間ぶりの大地に着地。あぁ、最高に楽しかった。

 

そして多数の観光船が集う波止場には、様々な露店やお土産屋が。どうやらこの街も、中国の観光スポットの一つの様だ。

 

中国独特の眩しいほどの言葉の喧騒。周囲に漂う、記憶にない魅力的な香り。

 

あぁ、この陽朔も非常に楽しそうだ。至福の川下り終了で凹んでいたが、まだ時刻も15時だ。

 

胃腸の調子も回復し、まだまだガッツリ暴れられる。一体この国は、どれほど私たちを楽しませてくれるのだろう。

 

旅の支度を再度整え、人込みに突撃する。全く欲しくない鴨のキーホルダーを、買わされそうになりながら。

 

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